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米1~3月期GDP確報値は下方修正、個人消費が約5年ぶりの低水準

by • July 2, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1644

U.S. Q1 Growth Revised Down On Weaker Personal Spending.

米1〜3月期の実質国内総生産(GDP)成長率・確報値は、前期比年率2.0%増だった。市場予想と改定値の2.2%増を下回る。前期の2.9%増を含め3期連続での3%前後の成長から、鈍化を示した。一方で前年同期比は2.8%増と改定値と変わらず。速報値の2.9%増を下回りつつ、前期の2.6%増を超え2015年4〜6月期以来の高水準だった。

GDPの7割を占める個人消費は前期比年率0.9%増(改定値は1.0%増、速報値は1.1%増)と、2013年4~6月期以来の低水準。サービスの下方修正が背景にある。前期は2016年4~6月期以来で最高となる4.0%増だったが、悪天候要因なども重なり減速した。1〜2月の新車販売台数の落ち込みも、個人消費を押し下げた。GDPへの寄与度は改定値の0.71%ポイント→0.60%ポイントとなり、2013年4〜6月期以来の低水準だった。なお前期は2.75%ポイントと、ホリデー商戦とハリケーン買い替え需要に支えられ3年ぶりの力強さを果たした。

▽個人消費の内訳

・耐久財 2.1%減>改定値は2.6%減、速報値は3.3%減、前期は13.7%増と2009年7~9月期以来の高水準
・非耐久財 0.5%増>改定値は0.4%増、速報値は0.1%増、前期は4.8%増と2010年10~12月期以来の高水準
・サービス 1.5%増<改定値は1.8%増、速報値は2.1%増、前期は2.3%増

民間投資は、全般的に上方修正された。項目別では、企業の設備投資に相当する構築物投資と機器投資、無形資産がそろって引き上げられた。住宅投資も、マイナス幅を縮小。在庫投資のみ、改定値から下方修正された。民間投資の寄与度は改定値の1.18%ポイントから1.22%ポイントへ上方修正、在庫投資の寄与度低下を他が吸収しており、在庫投資の寄与度は改定値の0.13%ポイントから0.04%ポイントのマイナスへ下方修正された。

▽民間投資の内訳

・民間投資 7.5%増、2017年7〜9月期に並ぶ水準>改定値は7.2%増、速報値は7.3%増、前期は4.7%増
・固定資本形成 7.6%増>改定値は6.5%増、速報値は4.6%増、前期は8.2%増と2014年7〜9月期以来の高水準
・非住宅固定投資(企業の設備投資) 10.4%増、2014年7~9月期以来の高水準>改定値は6.5%増、速報値は6.1%増、前期は6.8%増と3期ぶりの高水準
>構築物投資 16.2%増、2014年1~3月期以来の高水準>改定値は14.2%増、速報値は12.3%増、前期は6.3%増
>機器投資 5.8%増>改定値は5.5%増、速報値は4.7%増、前期は11.6%増と2014年7~9月期以来の高水準
>無形資産 13.2%増、少なくとも2000年以来の高水準>改定値は10.9%増>速報値は3.6%増、前期は0.8%増
・住宅投資 1.1%減>改定値は2.0%減、速報値は±0%、前期は12.8%増と3期ぶりにプラス
・在庫投資 139億ドル増<改定値は202億ドル増、速報値は331億ドル増、前期は156億ドル増

純輸出の寄与度は、プラスを回復した改定値からマイナスに反転した。逆に、政府支出の寄与度は0.22%ポイントと改定値の0.20%ポイントから上方修正された。

▽純輸出

・純輸出の寄与度 0.04%ポイントのマイナス<改定値は0.08%ポイント、速報値は0.20%ポイント、前期は1.16ポイントのマイナスと1年ぶりのマイナスに

▽政府支出

・政府支出 1.3%増>改定値は1.1%増、速報値は1.2%増、前期は3.0%増と2015年4~6月期以来の高水準
・連邦政府 1.7%増=改定値と速報値は1.7%増、前期は3.2%増と2009年4~6月期以来の高水準(連邦政府は防衛支出が1.7%増、非防衛財は1.8%増)
・州政府・地方政府 1.0%増>改定値は0.8%増、速報値は0.8%増、前期は2.9%増と2016年1~3月期以来の高水準

Q1の成長率は、個人消費の弱含みを企業の住宅投資、在庫投資、純輸出が相殺。

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(出所:My Big Apple NY)

GDP価格指数は前期比年率2.0%上昇し、市場予想と改定値の1.9%から上方修正された。前期の2.3%にも届いていない。PCEデフレーターは2.6%上昇し、過去3年間で最高となった前期の2.7%を下回る。コアPCEデフレーターは2.3%上昇、改定値に並んだ。速報値の2.5%以下だったものの、前期の1.9%を超え2016年7~9月期以来のFOMCのインフレ目標値「2%」乗せを遂げた。

企業利益は税引き前・在庫品評価調整済み、減価償却済みで前期比1.8%増と、2017年10~12月期の0.1%減から改善した。減価償却前の場合は2.4%増と、前期の10.9%減からプラス圏を回復した。

企業利益、税引き前・在庫品評価調整済み・減価償却済みベース。

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(作成:My Big Apple NY)

税引き後の在庫品評価調整済みベースでは法人税減税の効果を受け前期比8.7%増と2014年4~6月期以来の高い伸びを遂げ、前年比でも16.9%増と6年ぶりの高水準だった。企業収益は、企業の設備投資を促す内容であり個人消費との両輪での成長拡大路線は少なくとも年内維持されよう。

(カバー写真:chrisforsyth/Flickr)

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