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米9月CPIは鈍化:中古車が約15年ぶりの低下となったワケ

by • October 12, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1966

Consumer Prices Softens, As Used Cars Post Biggest Drop In 15 Years.

米9月消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%上昇し、市場予想と前月の0.2%以下だった。エネルギーの鈍化が一因で、今回0.5%低下し過去4ヵ月間で3回目のマイナスとなる。ガソリンも0.2%低下、前月の3.0%上昇から反転した。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は9月に2.824ドルまで下落、5月の高値の2.962ドルから後退した。ただし、10月には原油先物が約4年ぶりの高値をつけるなか、2.9ドル台に乗せている。そのほか、エネルギーでは電力など公益も0.8%低下し、前月の上昇から転じた。食品・飲料は7~8月の0.1%を経て、±0%だった。

CPIコアは前月比0.1%上昇し、前月と変わらず。市場予想の0.2%を下回った。項目別では、帰属家賃が6~8月の0.3%上昇から、今回0.2%に鈍化。家賃は4ヵ月ぶりの高水準だった前月の0.4%を下回り、0.2%の上昇となった。ホテルなど宿泊は前月の0.6%上昇から、1.0%低下、夏休みが終わり3ヵ月ぶりのマイナスを示す。住宅全般では7~8月の0.3%に届かず、0.2%上昇した。住宅以外では、教育は前月に続き0.2%上昇し、4ヵ月連続でプラスとなった。

CPIコアのうち、特に落ち込みが目立った項目は中古車で3.0%低下、4ヵ月ぶりのマイナスとなっただけでなく、約15年ぶりの下げを示す。新車は0.1%低下、前月の±0%から下振れしている。

中古車以外は底堅い。輸送サービスは0.5%上昇し4ヵ月連続でプラスとなり、自動車保険が押し上げ、航空運賃の1.0%低下分を補った。教育は0.1%上昇し、前月の0.2%を下回ったものの、プラス基調を維持。娯楽は0.3%上昇し、過去4ヵ月間で3回目のプラスを示す。服飾は0.9%上昇し、前月の1.6%低下を含めマイナス基調を3ヵ月で止めた。医療費は0.2%上昇、前月の低下分を打ち消した。

CPIは前年比で2.3%上昇し、前月の2.7%から低下しただけでなく市場予想の2.4%を下回った。2012年2月以来の高い伸びを遂げた7月の2.9%から後退しつつある。コアCPIは前月通り2.2%上昇、市場予想の2.3%、2008年10月以来とリーマン・ショック直後の水準へ加速した7月の2.4%以下となる。

CPIは7月につけた2012年2月以来、コアCPIは2008年10月以来の高水準から後退。

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(作成:My Big Apple NY)

――9月ベージュブックでは、追加関税措置の影響で仕入れ価格が上昇し、一部で最終品への価格転嫁が行われているとの報告を確認していました。その割に、物価は伸び悩み中。中古車の価格下落が足を引っ張りましたが、これまでトランプ政権による自動車関税発動をにらみ、上昇した分が剥落したと考えられます。足元の金利上昇が潜在顧客の自動車購入意欲を低下させかねず、下取り中古車の価格は本来の水準に戻しつつあるようです。

しかも、自動車ローンも厳格化されつつあります。いえいえ、インセンティブの話ではありません。

金融危機後の約10年にわたり、自動車ローンは一定期間0%金利、つまり金利負担なしが当たり前でした。ゼロ金利の期間も当初の12ヵ月、48ヵ月と徐々に延び、はてには72ヵ月(6年)に及ぶケースも。しかし、Fedが2015年12月に利上げを開始してから約3年を経て、漸く変化しつつあります。

調査会社J.D. Powerによれば、自動車ローンに占める1%以下の金利負担の割合は9月に5.3%と、前年同月の8.3%から低下しました。過去最高をつけた2016年の8.8%も下回ります。

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(作成:My Big Apple NY)

ゼロ%金利など金利水準の低いローンが徐々に増えるなか、月々の返済額の上昇中。信用調査会社エクスペリアンによれば、2018年4~6月期の返済額は525ドルと過去最高でした。

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(作成:My Big Apple NY)

新規のローン返済設定期間は平均68.8ヵ月と、前年比で横ばい。高信用力のプライム層とスーパープライム層でそれぞれ0.05ヵ月、0.15ヵ月短縮した半面、低信用のサブプライム層と、サブプライムほど低信用ではないが、プライム層以下の信用力のノンプライム層が上昇。それぞれ0.10ヵ月、0.16ヵ月延び、プライム層などの短縮を打ち消しました。

自動車メーカーは、景気拡大の恩恵を受けてきました。Fedの金利正常化に合わせ、自動車メーカーのギアはニュートラルに戻さざるを得ず、売れ行きのスローダウンは必至でしょう。2017年の新車販売台数は前年比1.8%減の1,723万436台でしたが、今年は大台割れが視野に入ります。

(カバー写真:JOHN LLOYD/Flickr)

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