20180671311_389350ea71_z

米9月小売売上高、ハリケーン効果で外食が押し下げも消費は堅調

by • October 16, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1555

Hurricane Effects Drag Retail Sales, But Other Areas Show Solid Growth.

米9月小売売上高は前月比0.1%増と、市場予想の0.6%増を下回った。前月と変わらず。8ヵ月連続で増加しつつ、小幅な伸びにとどまった。自動車を除いた場合は0.1%減と、こちらも市場予想の0.4%増だけでなく前月の0.2%増(0.3%増から下方修正)に届いていない。全体的にさえない数字にみえるが、国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は0.5%増と前月の±0%増(修正値)から改善した。

retailsales
(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、主要13カテゴリー中10カテゴリーで増加し、8月の7カテゴリーから増加した。今回、無店舗のほか、ハリケーンによる買い替え効果が現れたためか家具も強い伸びを示す。その半面、ガソリン・スタンドが落ち込んだほか、ハリケーンの影響を受けたとみられる外食が2016年12月以降で最大の下げを示した。項目別の詳細は、以下の通り。

(プラス項目)
・無店舗(オンライン含む)→1.1%増>前月は0.5%増、6ヵ月平均は0.9%増
・家具→1.1%増>前月は0.8%減、6ヵ月平均は0.3%増
・電気製品→0.9%増>前月0.6%増、6ヵ月平均は0.5%増
・自動車/部品→0.8%増>前月は0.5%減、6ヵ月平均は0.2%増
・スポーツ用品/書籍/趣味→0.7%増、5ヵ月ぶりに増加>前月は±0%、6ヵ月平均は0.8%減

・服飾→0.5%増>前月は2.8%減、6ヵ月平均は0.4%増
・一般小売→0.3%増>前月は0.1%増、6ヵ月平均は0.4%増
(*百貨店は0.8%減>前月は0.9%減、6ヵ月平均は0.1%減)
・食品/飲料→0.2%増>前月は0.3%減、6ヵ月平均は0.2%増
・建築材/園芸→0.1%増<前月は0.8%増、6ヵ月平均は0.5%増
・雑貨→0.1%増<前月は2.7%増、6ヵ月平均は0.1%増

(マイナス項目)
・ヘルスケア→0.3%減<前月は0.5%増、6ヵ月平均は0.6%増
・ガソリン・スタンド→0.8%減<前月は1.1%増、6ヵ月平均は0.8%増
・外食→1.8%減、5ヵ月ぶりに減少し約2年ぶりの下げ<前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.6%増

――米9月小売売上高はヘッドラインこそ弱かったものの、ガソリン・スタンドの0.8%減と外食の1.2%減が足を引っ張った程度でした。コントロールが0.5%増だったように、消費の基調の力強さを確認しています。結果、コントロール小売売上高の3ヵ月比年率では4.8%増と前期の5.8%増を下回りつつ高い伸びを維持しており、米7~9月期成長率も個人消費が寄与する公算。アトランタ地区連銀は、米9月小売売上高の結果を受け米7~9月期成長率予測値を従来の4.2%増から4.1%増へ下方修正したとはいえ、2期連続の4%成長を見込む状況。今月26日発表の米7~9月期実質GDP成長率が大幅鈍化する兆しは、現れていません。

(カバー写真:Austin Villages/Flickr)

Comments

comments

Pin It

Related Posts

Comments are closed.