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米11月NAHB住宅市場指数、金利上昇の逆風で急低下

by • November 20, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off2486

NAHB Housing Market Index Plummets As Rates Surges.

米11月NAHB住宅市場指数は60 となり、市場予想の67並びに前月の68を下回った。金利上昇が痛手となり、2016年8月以来の低水準となる。8ポイントもの低下は、約4年ぶりで最大となった。1月につけた1999年7月以来の高水準である72をつけたが、ここでピークアウトした感が漂う。内訳をみると、一戸建て現況指数は67と、前月から7ポイントも急低下2016年8月以来の水準へ落ち込んだ。一戸建て見通し指数も65と前月から10ポイントも沈み、2016年5月以来の低水準に。客足の動向を表す見込み客指数は45と、2016年8月以来の弱さとなった。

NAHB住宅市場指数、他項目と合わせトランプ大統領就任前の水準へ逆戻り。

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(作成:My Big Apple NYが作成)

地域別でも、軒並み下振れした。最も落ち込みが目立ったのは北東部と西部で、それぞれ9ポイント低下し、北東部が52、西部が65となった。両地域とも、金利上昇に加え過剰に割高となっていた事情が重なったとみられる。中西部は54と、前月から6ポイント低下。南部は65と、前月を5ポイント下回った。

発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のロバート・ディエス首席エコノミストは、結果を受け「人手と土地が不足する上に、規制にかかるコスト負担が一戸建て住宅建設の回復を遅らせてきた」と振り返る。その上、住宅価格の高騰に金利上昇も重なったため「建設業者は慎重なアプローチを取りつつある」と結んだ。

――NAHBが発表する値ごろ感指標をみると、明らかに低下しています。住宅販売件数全体に占める値ごろ感の強い住宅の販売比率は7~9月期に56.4%と、リーマン・ショックが直撃した2008年以来の水準へ落ち込んでいました。ここに金利上昇が加われば、需要が高まるはずがありません。

nahb(作成:My Big Apple NY)

あとは頼みの綱である労働市場が、どこまで勢いを維持できるかに掛かっています。Fedは12月も追加利上げを行う姿勢を崩していませんが、12月FOMCでアップデートされる経済・金利見通しでFF金利予想・中央値が引き続き3回を維持するか、米株安局面では注目。足元のFF金利先物市場では、3回の利上げ織り込み度が10%を割り込み、1~2回が合わせて60%を超えるだけに、市場はFF金利予想・中央値の下方修正を望んでいることでしょう。

(カバー写真:Sarah Miller/Flickr)

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