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米7月NFIB中小企業楽観度、米中首脳会談後に改善

by • August 14, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1322

NFIB Small Business Optimism Continues To Defy Slow Economic Growth Concerns.

米7 月NFIB中小企業楽観度指数は104.7となり、市場予想の104.0を上回った。5ヵ月ぶりの低水準だった前月の103.3から改善している。6月29日開催の米中首脳会談で残り約3,000億ドル相当の中国製品に対する追加関税措置第4弾が見送られ、ファーウェイの禁輸措置が解除となる可能性が高まるなど最悪の事態は回避した結果、センチメントが上向いたとみられる。8月1日には一転、トランプ大統領が第4弾を10%で9月1日から-実施すると発言し、8月13日には携帯、パソコン、衣類など年末商戦に影響が及ぶ品目に対して12月15日に先送りされたため、センチメントの急低下が回避される見通しだ。なお、過去最高は2018年8月の108.8。同指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する労働市場情勢指数(LMCI)に含まれる。

発表元である全米独立企業盟(NFIB)のジュアニタ・ドゥガン最高経営責任者(CEO)は、結果を受け「中小企業の稼働率の引き上げを目指すが、人材不足が問題」と振り返った。ウィリアム・ダンケルベルク主席エコノミストも「経済減速懸念に反し、中小企業の活動は異例な水準を維持し、今月も経済動向に楽観な姿勢を保った」と指摘。同じく「人材不足が重要課題」とのコメントを寄せた。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、13項目中プラス圏にのせた項目はこれまでの流れを受け継ぎ10項目だった。そのうち、プラス圏のうち前月を上回ったのは7項目で、その半面「在庫を増加させる」は横ばい、「賃上げ見通し」と「販売価格の引き上げ」は前月以下となった。マイナス項目は、前月の2項目から3項目へ戻した。「在庫満足度」が再びマイナス圏に陥っている。以下は、項目ごとの変化。

「求人件数」39%>前月は36%、6ヵ月平均は38%
「賃金引き上げ32%>前月は28%、6ヵ月平均は32%
「設備投資を拡大した」27%>前月は26%、6ヵ月平均は27%

「事業拡大に良いタイミング」26%>前月は24%、6ヵ月平均は25%
「売上拡大見通し」22%>前月は17%、6ヵ月平均は20%
「採用見通し」21%>前月は19%、6ヵ月平均は19%

「経済がより良くなる」20%>前月は16%、6ヵ月平均は15%
「賃上げ見通し」17%<前月は21%、6ヵ月平均は20%
「販売価格の引き上げ」16%<前月は17%、6ヵ月平均は14%
「在庫を増加させる」3%=前月は3%、6ヵ月平均は2%

「在庫満足度」−3%<前月は0%、6ヵ月平均は−3%
「信用状況が緩和」−4%<前月は−3%、6ヵ月平均は−5%
「黒字トレンドにある」−4%>前月は−7%、6ヵ月平均は−5%

――GDPの6割を担うとされる中小企業のセンチメント、ISMに反し上昇。

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(作成:My Big Apple NY)

中小企業のセンチメントは、米7月ISM製造業景況指数7月ベージュブックと一線を画し、改善しました。追加関税措置の影響が比較的低い内需関連企業が多いためでしょうか。その割にラッセル2000が2018年8月につけた過去最高値を更新していない点が気掛かりです。

(カバー写真:Prosper Portland/Flickr)

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