Saving Rate Edges Up As Personal Spending Grows Slower Than Income.
米6月個人消費支出は前月比0.3%増と、市場予想と一致した。前月の0.5%増(0.4%増から上方修正)に届かなかったとはいえ堅調なペースを保ち、4ヵ月連続で増加した。前年比では3.9%増となり、3ヵ月ぶりの低い伸びにとどまった。インフレを除く実質ベースでの個人消費は市場予想通り0.2%増となり、4ヵ月連続で増加した。前年比では2.5%増と前月の2.6%増に届かず、2018年の平均値である3.0%増から遠ざかった。
個人消費の内訳は、前月比で以下の通り。米7月新車販売台数が1,700万台を割り込んだように、耐久財が鈍化した。ガソリン価格が下落したものの、非耐久財は前月に続き増加。サービスも平年を上回る気温を受け公益が支え、底堅かった。
・モノ 0.284%増、前月の0.589%増を下回るも4ヵ月連続で増加
>耐久財 0.386%増、前月の1.459%増を下回り2ヵ月連続で増加
>非耐久財 0.228%増、前月は0.148%増を上回り4ヵ月連続で増加
・サービス 0.283%増、前月の0.415%増を下回るも増加基調を維持
個人所得は前月比0.4%増と、市場予想と一致した。9ヵ月連続で増加している。前年比では3ヵ月連続で4.9%増だった。実質ベースでは前月比0.3%増と、9ヵ月連続で増加。前年比は3.5%増と、前月と同じく2018年8月以来の高い伸びを保った。
可処分所得は前月比0.4%増となり4ヵ月連続で増加した。前年比は5月と同じく、4.7%増だった。実質ベースの可処分所得は前月比0.3%増と9ヵ月連続で増加した。前年比は3.3%増と前月と変わらなかった。貯蓄率は改定された結果、8.1%と前月の8.0%から小幅改善した。
個人消費支出の伸びが所得を下回り、貯蓄率は高水準を維持。
所得の内訳は、前月比で以下の通り。
・賃金/所得 0.5%増、前月の0.2%増を上回り7ヵ月連続で増加(民間が0.5%増、サービス部門が0.5%増、財部門(製造業、鉱業、建設)は0.5%増)
・不動産収入 0.4%増、前月の0.7%増を含3ヵ月連続で増加(農場が12.6%増と3ヵ月連続で増加、非農場は0.2%増と4ヵ月連続で増加)
・家賃収入 0.6%増、前月の0.5%増を含め6ヵ月連続で増加
・資産収入 0.3%増、前月の0.5%増を含め3ヵ月連続で増加(配当が横ばいと増加を2ヵ月で止めた半面、金利収入は0.5%増と4ヵ月連続で増加)
・社会補助 0.4%増、前月の0.3%増を上回り7ヵ月連続で増加
・社会福祉 0.4%増、前月の0.4%増と変わらず7ヵ月連続で増加(メディケア=高所得者向け医療保険は0.7%増と増加基調を維持、メディケイド=低所得者層向け医療保険は0.5%増と7ヵ月連続で増加、失業保険は0.8%増と2ヵ月連続で増加、退役軍人向けは1.0%増と増加基調を維持、その他は0.2%増と横ばいから反転)
個人消費支出(PCE)デフレーターは原油価格が50ドル台で推移するなか、前月比0.1%上昇し市場予想と前月値と一致した。前年比は5月に続き1.4%上昇、市場予想の1.5%に届かず、年初来から続く1%半ばのレンジにとどまった。2012年3月以来の高い伸びを示した2018年7月の2.4%から遠のいたままだ。コアPCEデフレーターは前月比0.2%上昇し、市場予想と一致し3ヵ月連続で同じ伸びとなる。コアPCEの前年比は4~5月に続き1.6%上昇し市場予想の1.7%を下回り、年初来から続くFOMCのインフレ目標値(2%)以下を維持した。
PCEコアは6ヵ月連続でFOMCの目標値以下に。
――6月は個人消費の伸びが個人所得を小幅に下回り、貯蓄率は高水準を維持しました。家計のバランスシートは比較的健全と言え、家計からシステミック・リスクが派生する可能性は低いと言えるでしょう。
(カバー写真:Steven Guzzardi/Flickr)
Comments
米7月ISM製造業景況指数は下振れ、サービス業も約3年半ぶりの低水準 Next Post:
米7月NFIB中小企業楽観度、米中首脳会談後に改善