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米株は弱気相場入りへ、過去からみた下げ余地と回復までの道のり

by • March 12, 2020 • Finance, Latest NewsComments Off2925

Entering Bear Market : How Low Can We Go?

3月11日、ダウが遂に新型コロナウイルスに屈しました。世界保健機構(WTO)のパンデミック宣言に伴い、一時1,689.84ドル安の23,328.32ドルへ急落。下げ幅は過去最大となった3月9日の2,158.71ドルに次ぎ、2番目となっただけでなく、2019年1月以来の安値をつけ同年以降の上昇を完全に吹き飛ばす有様。2009年3月から幕開けしたブル相場に終止符を打ち、弱気相場に突入してしまいました。

S&P500種株価指数も弱気相場入りまであとわずかのところ、トランプ大統領が11日夜に行った演説を受けて先物が急落しており、ダウに続く公算です。トランプ氏は「中国を発火点としたコロナウイルス感染拡大」を受けて、英国を除く欧州全域からの入国を13日深夜から30日間停止すると発表(米国と貨物は除く)したのですが、米国内での移動制限には触れず、嫌気されたもようです。同じタイミングでNCAAが無観客試合を決定し、NBAがユタ・ジャズの選手の感染確認を受けシーズン中止を発表するなど自主的な決定が目立っただけに、トランプ政権の対応が後手に回った印象は拭えません。

では、S&P500が弱気相場入りした場合、どこまで下落し、また回復までの期間にどれほど掛かるのでしょうか?過去の弱気相場をチャートにまとめてみました。

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(作成:My Big Apple NY)

世界恐慌以降、弱気相場入りは少なくとも9回を数え、平均下落率は44.7%世界恐慌を除くと39.5%。一方で、弱気相場入りする前の直近高値を回復するまでには、平均55.6ヵ月世界恐慌を除く29.1ヵ月要しました。世界恐慌を除くと、2年半以内に下落幅を完全に相殺してきたことが分かります。

現代は高頻度高速取引が盛んであり、過去と違って経済的かつ政治的な危機がもたらした急落ではなく、過去と比較すべきか疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。同時に、新型コロナウイルスという今までにない要因がどこまで世界経済を冷え込ませるかも未知数です。ただ、日本の投資格言「山高ければ谷深し」は、米国人に掛かれば「谷深ければ山高し(Bigger the drop, bigger the pop)」に変わってしまうという点は、留意しておきたいところです。

(カバー写真:Claire Cheeseman/Flickr)

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