Coronavirus Pandemic Makes IMF Pessimistic About The U.S. And Other Countries’ Future Outlook.
国際通貨基金(IMF)は6月24日、世界経済見通し(WEO)の最新版を前倒しでリリースしました。今回、IMFは世界経済見通しを2020年につき従来の3.0%減から4.9%減、2021年も従来の5.8%増から5.4%増へそれぞれ下方修正しています。下方修正が目立ちますが、基本シナリオとして前回に続き下半期の回復を見込んでいました。
チャート:各国際機関で最も悲観的なのはパリに拠点を置くOECD
世界経済の牽引役として期待される米国の成長率も、2020年は従来の5.9%減から8.0%減、2021年も従来の4.7%増から4.5%増へそれぞれ下方修正。米連邦公開市場委員会(FOMC)や国際機関などより遅れて発表した事情もあり、米国の見通しは最も悲観的となっています。
チャート:IMFの米国成長見通しは、最も悲観的
ただ、IMFが米国にのみ悲観的だったかといいますと、欧州各国など先進国の見通しも他機関より下振れしており、コロナ禍の影響に合わせて修正したもようです。特にユーロ圏ではフランスの2020年見通しの下方修正幅は5.3%ポイント(従来7.2%減→12.5%減)と著しく、ユーロ圏自体も米国以上の大幅な下方修正となりました。
チャート:世界経済見通しの一覧
2020年見通しで下方修正が目立った国はインドで6.4%ポイントに及びました(従来1.9%増→4.5%減)。気になる中国はというと0.2%ポイント(従来1.2%増→1.0%増)と小幅にとどまっています。
チャート:2020年見通しの下方修正幅が大きな国一覧
米国を始め第2波の懸念がくすぶるなか、IMFは2021年に第2波が直撃し社会的距離(ソーシャルディスタンシング)が徹底されロックダウンが再開すれば、基本シナリオから成長が4.9%ptの押し下げを予想。逆に回復が進めば、2020年の基本シナリオから0.5%ptの押し上げを見込みます。果たして世界経済はどちらのシナリオをたどるのか。運命の分かれ道は、日々の人々の暮らしに掛かっています。
(カバー写真:IMF/Flickr)
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