Retail Sales Less Than In July, Likely To Slow Further In The Month Ahead.
米7月小売売上高は前月比1.2%増と、市場予想の2.1%増を下回った。前月の8.4%増(7.5%増から上方修正)を含め、3ヵ月連続で増加。経済活動の再開に伴い、回復を続けた。
自動車とガソリンを除いた場合は1.9%増と、市場予想の1.3%増を上回った。前月の8.3%増(7.3%増から上方修正)に続き、3ヵ月連続で増加している。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は1.4%増と、市場予想の0.8%増を上回った。過去最大の伸びを記録した前月の6.0%増(5.6%増から上方修正)を含め3ヵ月連続で増加し、且つ市場予想を上回った。経済活動再開の一時停止で一部の州で店内飲食が禁止されるなど対面サービス業が影響を受けたが、自動車や落ち込んだ程度で、その他は概して堅調だった。
チャート:小売売上高、前月比は予想以下ながら3ヵ月連続で増加
チャート:小売売上高は前年比で2.7%増となり、2ヵ月連続で増加
前月比の内訳をみると、主要13カテゴリー中8種で増加し、前月の11種には届かなかった。今回牽引したのは電気製品で3ヵ月連続で2桁増を達成、その他、雑貨やガソリンスタンド、服飾、外食が増加し、それぞれ3ヵ月連続で増加した。一方で、過去2ヵ月にわたり2桁増を果たしたスポーツ用品・趣味・書籍を始め建築・庭園、自動車・部品、一般小売が減少に転じた。前月比の項目別詳細は以下の通り。
(プラス項目)
・電気製品→22.9%増、3ヵ月連続で増加<前月は37.6%増と過去最大の伸び、6ヵ月平均は3.8%増
・雑貨→6.2%増、3ヵ月連続で増加<前月は21.7%増と過去最大の伸び、6ヵ月平均は1.2%増
・ガソリンスタンド→6.2%増、3ヵ月連続で増加<前月は14.8%増と過去最大の伸び、6ヵ月平均は1.8%減
・服飾→5.7%増、3ヵ月連続で増加<前月は176.7%増と過去最大の伸び、6ヵ月平均は26.8%増
・外食→5.0%増、3ヵ月連続で増加<前月は26.7%増、6ヵ月平均は0.3%減
・ヘルスケア→3.6%増、3ヵ月連続で増加<前月は6.9%増、6ヵ月平均は0.7%増
・無店舗(主にネット)→0.7%増>前月は2.1%減、6ヵ月ぶりに減少、6ヵ月平均は3.6%増
・食品/飲料→0.2%増>前月は1.5%減、6ヵ月平均は2.5%増
・家具→横ばい<前月は37.4%増と2ヵ月連続で増加、6ヵ月平均は7.2%増
(マイナス項目)
・スポーツ用品/書籍/趣味→5.0%減、3ヵ月ぶりに減少<前月は27.6%増、6ヵ月平均は8.2%増
・建築材/園芸→2.9%減、3ヵ月ぶりに減少<前月は0.8%増、6ヵ月平均は1.2%増
・自動車/部品→1.2%減、3ヵ月ぶりに減少<前月は9.1%増、6ヵ月平均は2.9%増
・一般小売→0.2%減、3ヵ月ぶりに減少<前月は2.1%増、6ヵ月平均は0.4%増
(百貨店は0.1%増、3ヵ月連続で増加<前月は17.4%増、6ヵ月平均は0.6%増)
チャート:7月の業種別動向
――米6月小売売上高は、経済活動の再開に合わせ前月に続き改善をたどりました。しかしながら、コロナ禍直前の2月比でみると、13業種のうち6種しか2月の水準を上回っていません。小売売上高全体でも、0.5%減とわずかながらマイナスです。
チャート:2月比での13業種動向、6種が2月の水準を超えるも外食を含め6業種は引き続きマイナス
7月は裁量消費の一部と自動車が弱かったわけですが、失業保険の拡充が7月末に期限切れを迎え米議会の協議が難航していたため、一部で財布の紐を締めた可能性は否定できません。新学期セールの売り上げは好調な見通しですが、結局米議会は未だに妥結しておらず。7月は主要13業種のうち、7種が2月以降のコロナ禍の落ち込みを相殺し、ヘルスケアの改善を受け6月の6種からまた一つ増えたというのに、8月は鈍化しそうな雲行きとなってきました。
(カバー写真:Christopher Michel/Flickr)
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