Et tu, Consumer Confidence? Purchasing Intensions Go Downside.
米5月消費者信頼感指数は117.2となり、市場予想の118.8を下回った。ワクチンの普及と経済の正常化が急速に広がる一方で、2020年3月以来の高水準へ切り返した前月の117.5(121.7から下方修正)以下となる。
内訳をみると、現況指数が144.3と前月の131.9(139.6から下方修正)を超え2020年3月以来の高水準。逆に、期待指数は99.1と前月の107.9(109.8から下方修正)を下回り、過去2ヵ月間の上昇をほぼ打ち消した。
発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ・シニア経済指標ディレクターは、結果を受け「過去数ヵ月に急速に改善した後、5月の消費者信頼感指数は前月比でほぼ横ばいにとどまった」と振り返った。その上で「現況指数が示す通り、4~6月期の経済成長は引き続き急速な拡大が見込まれるものの、将来的な成長と雇用は減速が予想される」と指摘。特に所得の見通しをめぐり「インフレ上昇に加え、(7月からの)児童手当支給まで政府支援が付与されない状況をにらみ慎重になっている」と分析した。
チャート:消費者信頼感指数は足踏み、現況は2020年3月以来の高水準、期待指数は3ヵ月ぶりに100割れ
現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは34.6%と、前月の21.6%から急伸し2019年10月以来の高水準となった。求人数が示すように企業は採用活動に積極的な半面、人材が労働市場に戻っていない様子を示唆した。
購入見通しは、全て低下。バイデン政権下で成立した追加経済対策で3月に現金給付が行われ、7月からは税控除の前払いとして児童手当が毎月支払われる見通しだが、住宅は4.3%と2012年2月以来の低水準に。自動車は9.1%と2020年4月以来、家電も41.9%と、少なくとも2010年以来のレベルに落ち込んだ。
チャート;購入見通し、現況指数が高水準の割に軒並み低下。
米5月ミシガン大学消費者信頼感・速報値の購入意欲もご覧の下振れ
(作成:My Big Apple NY)
――米5月消費者信頼感指数では、米5月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値ほどではないにしても、購入見通しがそろって下振れしていました。サプライチェーンの途絶による物価上昇を受け、消費者が購入意欲を低下させていることが明白になっています。7月以降に児童手当が支給されればこのスタンスに変化が生じるのか、Fedの資産買入縮小の議論にも影響するとみられ、少なくとも6月FOMCでは慎重なトーンに終始しそうです。
(カバー写真:Mike Kalasnik/Flickr)
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