President Biden’s Approval Rating Is Sliding To The New Low, But History Tells It Tends To Fluctuate.
バイデン大統領の支持率が急低下中と、こちらでお伝えしました。リアルクリア・ポリティクスの支持率平均では、不支持が支持を上回る一幕もありましたね。
こうした状況を鑑み、我が国の首相に対し、米保守系メディアは地元で行われた横浜市長選での敗北を受け「日本のバイデン」と報じるほどです。
しかし、米大統領の就任1年目は100日間のハネムーンを経て、支持率は低下する傾向にあります。ギャラップの世論調査結果から過去を振り返ってみましょう。
チャート:過去の米大統領の支持率
過去5人の米大統領の就任1年目の支持率をみると、バイデン氏の支持率は8月に49%と過去5人の大統領のなかでブッシュ氏(息子、55%)、オバマ氏(53%)に次ぐ水準なのですよ。
最低はトランプ氏で、就任1年目の2017年は1月のイスラム教国からの入国禁止を始め6月のパリ協定脱退表明、7月のオバマケア廃止失敗などで8月には支持率が36%、11月には35%まで低下していました。
翻って、オバマ氏は67%と歴代大統領の中でも最も高い支持率でスタートしました。しかし、2009年2月に金融危機後の景気刺激策「米国再生・再投資法(ARRA)」成立させ、8月には「自動車買い替えプログラム(キャッシュ・フォー・クランカーズ)」を制定したものの、支持率は振るわず2009年末には50%へ低下。その後、景気回復と共に再選し支持率も切り返し、59%で幕を飾ったものです。
逆に、ブッシュ氏は就任当時の支持率は57%で8月まで55%にわずかに下振れした程度で、同時多発テロ事件直後の9月は国が一体となったことで91%へ急伸、歴代大統領で最高を打ち立てます。しかし、再選を果たしたものの、以降はイラク情勢の混迷に加え、サブプライム問題発のリーマン・ショックが痛手となり、政権末期の支持率は25%と過去最低に叩き落されました。
クリントン氏は58%でスタートしてから、ホワイトハウス記者団の各種手配を行うホワイトハウス内の旅行会社で不適切会計とその後の縁故主義的な対応、景気減速が重しとなって低下トレンドに入り7月に41%まで落ち込みました。4月に成立した予算法案で景気刺激策の部分が削除されたことも、指導力不足とみなされたのでしょう。しかし、そこでボトムアウトし財政赤字縮小と好況を追い風に93年末には54%まで回復。再選後、ITバブルなど空前の好景気をバネに1998年には73%まで上昇し、任期満了の時点でも66%と戦後で最高を記録、見事に有終の美を飾りました。
1990年以降に選出された大統領を振り返ると、支持率低下は当然の成り行きのように見えます。果たしてバイデン政権は、オバマ、クリントン元大統領など過去の民主党大統領のように巻き返せるのか。答えは、コロナ感染状況やインフレ動向に加え、インフラ計画と育児・医療支援策などの成立、そして今後のアフガン対応、対中政策などに掛かってくるのでしょう。果たして支持率のカーブは、果たして右肩上がりに転じるのか。バイデン氏が再選を実現するには、ここで底打ちしなければなりません。
(カバー写真:Chairman of the Joint Chiefs of Staff/Flickr)
Comments
バイデン政権、「国境炭素税」導入に及び腰になりつつある理由 Next Post:
米7月個人消費は増加も、物価上昇が背景―実質はマイナスに