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バロンズ:パウエル議長の講演で、S&P500は最高値更新

by • August 29, 2021 • Finance, Latest NewsComments Off1537

Barron’s : Powell’s Speech Pushed S&P 500 And Nasdaq To The Record High.

バロンズ誌、今週のカバーは中国株式市場を取り上げる。中国市場の投資家にとって、今年は中国が依然として共産主義国家で、一方的且つ急速に政策において方向転換するだと思い知らされ、厳しい年となっている。足元数ヵ月における反資本主義的な中国政府の決定を受け、中国株は急落した。中国株は過去6ヵ月間で20%下落し、一部の大型株は40%以上も落ち込んでいる。中国は、投資できない市場に変貌してしまったのだろうか?習近平主席が3期目入りを目指すなか、共産党の支配権を強化し、”共同富裕(common prosperity)”を掲げ、社会福祉を始め国家安全を拡充。さらに、テクノロジーや教育、ヘルスケア、その他成功を遂げた中国企業など経済の一角に対する規制強化に動いた。その一環として、中国政府は2020年秋にアリババ・ホールディング傘下のアント・グループの新規株式公開(IPO)を阻止し、ジャック・マー氏自身も表舞台から姿を消した。当局は「整改」つまり整理・改革と題し、テクノロジー業界などの監督強化の網の目を広げる状況だ。果たして、中国株式市場はどうなるのか、詳細は本誌をご覧下さい。

当サイトが定点観測する名物コラム、アップ・アンド・ダウン・ウォール・ストリート、今週はいつものランダル・フォーサイス氏ではなく、アンドリュー・ベイリー氏が担当する。抄訳は、以下の通り。

パウエルFRB議長の資産買入と金利をめぐる発言、米株高を招く―Fed Chair Powell’s Comments on Bond Buying and Interest Rates Prompt More Stock Gains.

待望のジャクソン・ホール会合でのパウエルFRB議長の講演を受け、ウォール街は安堵し、S&P500とナスダックは再び最高値を更新して引けた。予想通り、パウエル氏は1,200億ドルの資産買入をめぐり年内に終了することが適切と発言。しかし、利上げに急いでいない姿勢を強調した。つまり、利上げは2022年後半まで行わない公算が大きい。

S&P500は27日、0.9%上昇し初の4,500の大台を突破し4,509.37で引け、今年で52回目の最高値を更新した。週足では1.5%高、年初来では20%高となる。ダウとナスダックも、それぞれ上昇。米債も買いで反応、米10年債利回りは低下し1.31%でNY時間を終えた。

パウエル氏による講演のポイントは「資産買入縮小のタイミングとペースは、利上げのタイミングをめぐるサインを意味するものではなく、我々が明確に説明するように、利上げには異なった、且つ大いに厳しいテストが控える」との発言だ。

コーナーストーン・ウェルスのクリス・ホッジ最高投資責任者(CIO)は、パウエル氏の講演につき米株にとって「非常に強気(uber bullish)」と評価する。ルーソールド・グループのジム・ポールセン首席投資ストラテジストは、パウエル氏の講演と今後数週間と予想される新型コロナウイルス感染のピークアウトが、第2の「経済再開トレード」、つまり中小型株と景気敏感株の買いにつながると予想する。実際、ラッセル2000は27日に約3%高を達成。そのラッセル2000は3月につけた高値を下回って推移し、年初来高値もS&P500の上昇率を下回る。

チャート:S&P500とラッセル2000の年初来リターン、ラッセル2000は27日にほぼ垂直に上昇

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(作成:My Big Apple NY)

米株投資家はその裏で、米債投資家に感謝しなければならない。なぜなら、5%のインフレを抱えながら、米債を購入してくれているお陰で、米債利回りは低推移を維持し米株高を支えてくれているためだ。

米債利回りは全般的に低水準にあり、高格付けの地方債の利回りは1%以下で推移し、課税債の指数は2%レンジにある。これらの利回りは物価と比較して、現金に対しゼロに近い金利しか払わない状況では、比較的高いと言えるだろう。

米株のバリュエーションをみると、S&P500の場合、2022年の営業利益の22倍で推移し割高といえる。しかし、ポールセン氏は動揺せず、むしろS&P500は2022年の1株当たり営業利益を市場予想を上回る220ドルと掲げるだけでなく、2025年には300ドルへの上昇を見込む。仮に株価収益率を20倍とすれば、S&P500は6000に到達する見通しだ。ポールセン氏いわく「足元の割高感や過去10年間での推移をにらみ、多くの人々が長期的な米株リターンにつき0~5%を見込む。恐らく米株は15~20%高を達成しないだろうが、10%近くは達成できるのではないか」。

ポールセン氏の楽観は米経済に基づいており、成長率は2021年の7%を経て、3~3.5%を見込む。そうなれば、米企業の利益環境には追い風だ。ただし、ポールセン氏が意識する経済のポジティブなポイントはペントアップ需要の他、在庫の積み増し、世帯数や企業数の増加、2.5兆ドルの過剰貯蓄、家計の返済が進むバランスシート、銀行の貸出余剰などが挙げられる。

――ジャクソン・ホール会合前にタカ派の面々(ダラス連銀のカプラン総裁、カンザスシティ連銀のジョージ総裁、アトランタ連銀のボスティック総裁、セントルイス連銀のブラード総裁など)が早々のテーパリング開始をめぐり大合唱を行うなか、パウエル氏は7月FOMC議事要旨で明らかになった内容を繰り返す程度で、明確な時期などに言及せず。早ければ9月21~22日開催のFOMCで発表との見方もありますが、次期を明確化していない様子をみると、11月2~3日開催のFOMCか12月14~15日開催のFOMCでの発表が妥当でしょう。11月に発表し、12月に開始という手もあり得ます。なぜなら、9月は最も米株市場が荒れる月ですし、デルタ株感染拡大の状況も見逃せません。

何より、こちらでご説明したように、2013年にテーパリングを協議していた際、パウエル氏はタカ派でした。現在と状況が異なるとはいえ、パウエル氏がハト派寄りであるのは、経済回復を旗印とする政権の意向を汲み取っているように見えま。過去の例としてながら、「タイミング悪く政策を動かした場合、不要な雇用と経済の鈍化を招き、インフレを下押ししかねない」とわざわざ発言した点も、注目。また、次期FRB議長の最右翼とされたブレイナード理事は、テーパリングに慎重です。同氏はイエレン財務相の盟友であり、インド太平洋調整官であるカート・キャンベル氏の妻で、自身もクリントン政権時代に大統領副補佐官、オバマ政権で財務次官(国際担当)を務め、政権に近い人物とされます。バイデン政権がインフレ圧力に警戒していることは間違いありませんが、個人消費の鈍化も確認しており、拙速な超緩和策の巻き戻しは避けたいのではないでしょうか。

ここへきて、パウエル氏の再任、ブレイナード氏のFRB副議長に就任の観測気球が上がっています。これは政治的に現実的な選択で、プログレッシブが反発するパウエル氏の再任は、彼らが推すハト派の副議長誕生で相殺されるのはないかとみています。退任が考えられるのは、トランプ前大統領が副議長に指名したクオールズ氏とクラリダ氏で、仮に両名が辞任するならば、アトランタ連銀のボズティック氏がもう一人の副議長として、白羽の矢が立つのでしょうか。

(カバー写真:2021 Economic Policy Symposium Opening Remarks/Youtube)

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