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ウォールストリート、来年6月までの買入終了と米株上昇を予想

by • June 18, 2013 • Latest NewsComments (0)1411

Wall Street Expects Ending QE By June 2014 And Stock to Rise.

ウォールストリートでは、米連邦公開市場委員会(FOMC)が資産買入プログラムを2014年6月末までに終了させるとの見方が過半数を占めているようです。経済専門チャンネルCNBCがまとめたエコノミスト、ストラテジスト、ファンドマネージャーなどを対象とした市場関係者向け調査では、58%が2014年6月末までの終了を予想していました。前回4月時点の調査で多かった2014年7月末から、じわり前倒しされています。また年末までに終了させるとの回答も、5%と存在するのですよ。2015年あるいはそれ以降との予想は、12%でした。

資産買入の縮小時期も、前回4月の調査時点から前倒しされています。4月時点では平均で2014年2月だったところ、今回は年末となっていました。毎月850億ドルの買入を1年間継続した場合は1兆200億ドルのところ、2013年の資産買入額の予想平均は前回4月時点の9360億ドルから8800億ドルへ減少。年内に資産買入縮小を見込む意見が増えたことを表します。2014年の買入額予想も3670億ドルと、前回の3700億ドルから減少していました。

買入縮小の予想は4月時点で14年3月が14.6%と最も多かったところ、今回は13年9月で24%。
cnbc

量的緩和(QE)の効果について、失業率の低下につながったとの回答は前回の28%から36%へ上昇しました。半面、住宅ローン金利の低下につながったとの回答は前回の46%から42%へ低下。足元、30年物住宅ローン金利が約1年ぶりに4%台に乗せたことが影響したんでしょう。米国債利回りの低下につながったとの回答も、前回の54%から46%へ低下。米10年債利回りは2%を超え2012年4月以来の高水準を示現していましたもので、いたしかたなしです。QEが米国債利回り、住宅ローン金利ともに低下圧力を加えられなかったとの回答は、前回とほぼ変わらずの44%でした。

株価については、好意的な見方が優勢。QEが株価上昇を促したとの回答は70%と、前回の83%から低下したとはいえ高水準を保ちます。特筆すべきはS&P500の年末見通し!前回の1612pから、1655pへ上方修正されているんです。2014年6月予想は1722pとさらなる上昇が見込まれており、足元の水準から約4%の上昇を予想しています。S&P500が5月から米債利回りの上昇局面でも約4%の上昇を保っていることも、強気要因といえるでしょう。やっぱり、ブル相場は続くんですかねぇ。

以上、CNBCの結果を総合的に読み解くと・・・ウォールストリートは資産買入の縮小が株価の腰折れリスクになると判断していないんですね。こうしてみると、筆者の予想に反し株価がFOMC前に上昇しているのも、合点がいきます。

資産買入の縮小が注目されるなかで、ヒートアップした報道合戦も非常に興味深いものがありました。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は13日、名物Fed番記者であるジョン・ヒルゼンラス氏の署名で「Fed Likely to Push Back on Market Expectations of Rate Increase」という記事を報道。フィナンシャル・タイムズ(FT)紙なんて「Fed likely to signal tapering move is close」とのニュースをFOMC開催1日前の17日にぶつけてきました。どちらも、FOMC開催の1週間前である火曜日から当該週の木曜日までとされる「ブラックアウト期間」です。

WSJ紙が「市場の過剰な引き締め観測を修正へ」と報じた一方で、FT紙は「買入縮小が近いというサインを送る」と、ヘッドラインだけみると内容が真っ二つだったりするんで、そりゃー相場は反応しますよね。今回のFOMCは開催される前からドラマに満ちており、今回のFOMCにはさらなる熱い視線が集中すること間違いなしです!

ロビン・ハーディング記者、ツィッターで火消しに回る羽目になりました。

ft

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