July FOMC Preview : 3 Obstacles To Lower Unemployment Threshold.
31日にいよいよ公表となるFOMC声明文。バーナンキFRB議長の記者会見および経済・金融政策見通し(SEP)の公表を予定せず、説明責任を果たせない会合となります。従って大きな変更をぶつけてこないという見方が大勢ですが、どうでしょうか。
少なくとも2012年を振り返ると、記者会見を予定しなかった3月、7-8月、10月は、現状維持でしたね。
反対に2012年に記者会見を予定したFOMCを振り返ると、
1月
・時間軸の文言を「2013年半ば」から「2014年終盤」へ変更
4月
・変更なし、「2014年終盤」までの低金利維持を再表明
6月
・オペレーション・ツィストを6月末から12月末へ延長
9月
・QE3(オープンエンド型、MBSを400億ドルで取得)の開始を発表、時間軸を「2014年終盤」から「2015年後半」へ変更
12月
・オペレーション・ツィスト終了後、米国債を450億ドル買い切りオペで取得することを表明。
・時間軸「2015年半ば」を排除し、代わりに「1-2年先のインフレ率の見通しが2.5%以下、失業率が6.5%以上」の水準を続ける限り「例外的な低金利」政策を維持する数値目標を導入
経験則でみると説明責任を果たせない会合での変更は市場のかく乱要因となりえ、FOMCで劇的な変更は考えづらいです。
エコノミストは、どのような見通しを描いているのでしょう?
JPモルガン・チェースのマイケル・フェローリ米主席エコノミストは、インフレの数値目標に下方バンドを加える可能性はあると指摘していました。インフレ目標値が「2%」であるところ、数値目標を導入した2012年12月時点で「2.5%」を天井としており、「1.5%」という数字を追加することで混乱が生じるとは思えませんから。
ただしフェローリ氏、失業率の数値目標の変更については3つの問題点を挙げていました。
1)数値目標は市場との対話の手段であり、変更すれば信認を傷つけかねない
2)ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁は失業率の目標を6.5%から5.5%へ引き下げる案を提唱するが、5.5%はFOMC参加者のうち6人がNAIRUとする水準。
数値目標を5.5%へ引き下げた後に反対票が増えてしまえば、目標としての意味を失い、かつここ数ヵ月でメンバーが入れ替えとなる点を踏まえるとリスクが大きい
3)利上げを開始する時期に到達した時点で、積極的な利上げへの調整しづらくなる欠点を有する。
同時に9月FOMCで公表する2016年分の経済および金融政策見通し(SEP)で、政策見通しを固定させかねない。
フェローリ氏の主張に基づけば、インフレの数値目標に下限を挿入する程度となりそうです。
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