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FOMC議事録、泣いても笑っても縮小の序曲に?

by • August 20, 2013 • Latest NewsComments (0)1314

FOMC Minutes, Is It Going To Be The Prelude For The End?

FOMC議事録、いよいよ公表されます。
市場ではさまざまな思惑が交錯しておりますね。

バーナンキ議長が指差した先に何があるのか、相場は戦々恐々。
ben

前週末の16日は、米株市場が取引を終える約1時間に、市場のスケベ心を垣間見ることができました。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙のFed番であるジョン・ヒルゼンラス記者が、足もとの金利上昇に配慮するFed高官の見解を載せた記事を配信する――そんな噂が流れたんです。

すでにアトランタ連銀のロックハート総裁が「年内いずれのFOMCでも緩和縮小が可能で、10月もありうる」、「緊急に記者会見を開く場合も」と13日に発言しており、現状維持への期待がどこかにくすぶっていても仕方ありません。

ウェルズ・ファーゴのモーゲージトレーディング担当であるケビン・ジャクソン氏こそその一人で、マクロ経済指標がまちまちであるためファンダメンタルズの足元を確認するため、あと1四半期は現状維持を予想してました。

WSJ紙をはじめブルームバーグなど各メディアが行ったエコノミスト調査では、約半数が9月のQE縮小を予想していたことが分かっています。逆にいうと、約半数近い反対意見があることの裏打ちでもあるわけですね。

CNBCも、さすが金融情報局ですから出口政策の第一歩QE縮小には苦虫を噛み潰してる感が漂っております。

たとえば、クロナス・フューチャーズ・マネジメントのケビン・フェリー社長のブログ・コメントである「QE縮小は策略」を紹介。フォワード・ガイダンスは「市場がFedに与える評価を押さえ込む」との同社長の批判を取り上げてました。

バーナンキ議長の努力にも関わらず、米10年債利回りは議長が最初にQE縮小に言及した時点の2.33%から2.9%近くまで急騰したとも。フェリー氏は、インフレ2.5%、失業率6.5%で金利引き上げるとの数値目標にも、予想が当たらないFedが市場を混乱させていると毒づいておりましたねぇ。気持ちよく過剰流動性という名のパーティーに酔いしれているのに、何も冷や水をかぶせなくても良いだろう、ということでしょうか。バイロン・ウィーン氏も、同様な意見をCNBCで展開してましたっけ。

一方でオバマ米大統領が今月、5日間で4回も「人工的なバブル」に言及した点は、注目に値します。
2014年に中間選挙を控得るにもかかわらずこうした発言が飛び出したということは、ホワイトハウスもQE縮小にゴーサインを出したといえるのでは。

背景として、ひとつに住宅市場への配慮が挙げられるでしょう。

ネバダ州ラスベガスやカリフォルニア州などといったサブプライム問題の一部の震源地では、住宅価格の伸びが前年比で20%を超えています。NY市マンハッタンのとある物件では1平方フィート、0.03坪が2000ドルという途方もない金額がつけられるほどで、再び庶民にとってマイホームをもつというアメリカン・ドリームが遠のきつつあるわけです。

株価上昇で庶民の懐が温かくなったとはいえ、フルタイムからパートタイムへ労働市場の戦力が取って代わるなかでは、収入は安定しつつあるとはいえません。従って、ITバブルや住宅バブルの崩壊に伴う市場総崩れを懸念し、株価が高いうちにQE縮小に踏み切る可能性が残っているのではないかと推察できます。

2つ目には、Fedの緩和政策への批判をかわす意図が挙げられます。

企業主が正社員の保険加入を義務づけるオバマケアのおかげで雇用が低迷しているとの観測もありますが、Fedの政策は企業主に恩恵を与える一方で庶民に波及していない、との不満が横たわっているのも事実。金利が急上昇せず、株価が調整の域を超えない政策変更すなわちQE縮小であれば、ホワイトハウスとしても御の字ではないでしょうか。

政治的なサポートを踏まえると、やっぱり7月FOMC議事録ではQE縮小の序曲を奏でるのではないでしょうか。

こんなステッカーが流行したり?
taperon

あんまり時期をずらすとインドをはじめ、すでに影響が及ぶエマージング国にもさらなる火の粉が飛んでくるでしょうし。QE縮小を遅らせる場合はJPモルガン・チェースのブルース・カスマン主席エコノミストが指摘していたように、ファンダメンタルズのさらなる悪化を連想させるリスクもありますからね。

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