Summers Rally May Soften Taper Effect.
物憂げな花火の煙と共に
夏の終わりに 夏の終わりに
サマーズがFRB議長候補を辞退した
ファンモンの「夏の終わりに」から失礼いたしました。ニュースを受けて、アジア株式市場は大幅とは言えませんが、上昇して反応していますね。すでに全米から数百名のエコノミストが書簡でイエレン氏の任命を求め、BNPパリバはサマーズ氏就任で大幅な雇用減を予想。エコノミストはFRB議長指名前から、反旗を翻しておりました。
【追記】CNBCが前週12-13日に市場関係者に対し行った調査では、オバマ米大統領がサマーズ氏を指名するとの予想58%に対し、イエレン副議長がふさわしいとの回答が58%と、相反する結果になっていたのが、何ともいえませんね。
オバマ米大統領は、身内からも異議を唱えられてました。サマーズ氏(58歳)が指名された場合、少なくとも22人で構成される米上院銀行委員会の民主党議員3人が反対するとの報道を覚えておいででしょうか?同委員会では民主党が2名上回るだけなので、3名が異議を唱えればサマーズ氏は米上院での採決前に腰折れする見通しだったわけです。この時点で、オバマ米大統領によるサマーズFRB議長誕生へ向けた説得工作、ほぼ敗色が濃厚となっていたんでしょう。
イエレンFRB副議長(67歳)が、女性として初めてFedを率いる歴史的瞬間が近づきつつあるようです。オバマ米大統領がよっぽどの隠し玉を持ってさえなければ、ですが。
ブルックリン出身イエレン女史。就任すればBrooklyn is in the house~♪
同時に、このタイミングでの辞退は非常に興味深いです。
米8月雇用統計があんな結果に終わり、米8月小売売上高も0.2%増と過去4ヵ月間で最低と新学期セールの軟調だぶりを示していました。とはいえ米4-6月期国内総生産(GDP)改定値は2.5%であり、米新規失業保険申請件数も失業率の低下を示唆。おまけに、前週の10年債および30年債の入札は順風満帆でした。米債市場も今週のQE縮小を織り込んだと考えられ、米連邦公開市場委員会(FOMC)はついに量的緩和(QE)の縮小に打って出るのでしょう。
QE縮小の予想をざっと振り返ると、
ゴールドマン・サックス→米国債のみ100億ドル
NY系金融情報インサイド筋→米国債100億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)50億ドル併せて150億ドル
ピアポント証券→200億ド
となっています。ただし200億ドルとの予想は、エコノミストの予想レンジ中央値「100億-150億ドル」からかけ離れているのが現状です。
UBSの金融サービスの取引責任者であるアート・ケイシン氏は、「市場が織り込む数字は100億ドルで米国債のみ。仮にMBSが含まれれば市場はサプライズを与えボラティリティは再び上昇するだろう」とコメントしていました。
もちろん声明文の細かな変更、米経済および金利見通し(SEP)、そしてバーナンキFRB議長の記者会見の内容もマーケットにインパクトを与えること必至。一方で今回のサマーズ氏の辞退が援護射撃となり、のりしろが出来たことは事実です。
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