Here’s Why Jay-Z And Beyonce Are The Most Powerful Couple In US.
フォーブス誌の2013年全米セレブ夫婦・長者番付で、ジェイ-Zとビヨンセ夫婦は2年連続でトップの座を守りました。2人で稼いだ年収は9500万ドル(97億8500万円)といいますから、圧倒されます。
この夫婦の快進撃は、とどまるところを知りません。
妻でありアメリカが誇るディーバ、ビヨンセがやってくれました。
アルバム5作目にして、自身の名を冠した「ビヨンセ(Beyonce)」。リリースに、あっと驚く戦略を弄し全米だけでなく全世界を震撼させたんです。
AKBやEXILEによる握手券付き、複数売り、特典商法とはワケが違います。セールス戦略のスマートさは、足元にも及ばないといっても過言ではありません。
事前に全く予告せず突然、iTuneで独占的にアルバムのみ、12月20日までバラ売りなしで発売を開始したのです。14曲と17本のミュージック・ビデオを収録したアルバムは、15.99ドル(1650円)。他に例をみない大胆な発売手法にメディアは我先にとニュースを配信し、あっとうい間にアメリカだけでなく、世界中がビヨンセ旋風に巻き込まれました。
こちらをみると、いかに爆発的な売れ行きか一目瞭然。
(出所 : Policymic)
比類ない大作戦が功を奏し、ビヨンセの新作は発売3日間のみで82万8773枚を突破。06年にリリースした2作目「ビー・デイ(B’Day)」の54万1000枚をゆうに超え、自身最高となります。また女性アーティストの売上枚数自体では、12年11月に発売されたテイラー・スフィフトの「レッド(Red)」以来です。
ちなみにかつてレディオヘットやデビッド・ボウイも、アルバム告知せずに発売を仕掛けたことがあるそうです。ただしビヨンセ級の知名度となると、さすが爆発力が半端ありません。
ここで思い出していただきたいのが、夫ジェイ-Z。覚えていらっしゃいますか、今年グラミー賞で最多9部門のノミネートを獲得している「マグナ・カルタ/ホーリー・グレイル(Holy Grail)」を発表しました。2000万ドル(20億6000円)で、サムスンと契約したあの作品です。
当時はNBAファイナル第5戦でのCMオンエアを皮切りに、ジャスティン・ティンバーレイクやカニエ・ウェストなどスーパースターとのアルバム制作映像を放映。十分に世間の期待を高めてからアンドロイド向けアプリを通じ6月24日、サムスンのスマートフォン「S4」、「S3」、 「Note2」のユーザー先着100万名が無料でダウンロードできるシステムを構築しました。サムスンとの契約で一攫千金を成し遂げただけでなく、7月8日のアルバム・リリース前に口コミ効果が増幅され、サムスン向けの無料ダウンロードを除いた販売枚数は初週に52万7000枚を飾ったのです。
ラップ界だけでなく、ビジネスでも頭角を現す切れ者。
(出所 : www.nitetables.com)
あのとき、ジェイ-Zがサムスンと手を組んでアップルとはどうなることかと思ったのですが、さすが全米セレブで1、2を争うパワーカップルは違います。自身のアルバム売上を効果的に伸ばす戦略だけでなく、スマートフォン業界の巨頭と良好なビジネス関係を維持すべく、ビヨンセがiTune独占販売を行うことで夫婦の役割を分担させたのでしょう。ビヨンセのレコード会社ソニーにとってもウハウハでまさにウィン・ウィンな画期的手法には、お見事という他はありません。
(カバー写真 : Getty Images)
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