Everybody Seems To Love Janet.
2月1日、米連邦準備制度理事会(FRB)が新たな100年を迎えるにあたり初めて女性の議長が誕生しました。歴史の1ページを飾った女性こそ、ジャネット・ルイーズ・イエレン氏。デビュー戦となる旧ハンフリー・ホーキンス証言では順調に議会証言をこなし、米株は2014年が開始してから最大の上げ幅を演じました。
マーケットに熱烈歓迎された彼女の経歴はこちらをご覧いただくとして、イエレン議長の人となりにあらためて迫ってみましょう。
当時FRB理事だったイエレン氏が1995年、ミネアポリス連銀のインタビューに応じた内容を読んでみると・・。温和で柔和なイメージそのままに、質問事項には「FRB理事のなかで接しやすいとの噂は本当ですか?」というものがありました。もちろん、回答は「イエス」。なんでも「人と関わりをもつのが好き」だそうで、理事だからといって堅苦しいイメージを保つ必要はないと気さくなキャラクターをのぞかせています。さらにはFRB理事として珍しいことに、しょっちゅう食堂に出入りしていたんですって。これについて、イエレン氏は理事として階級を意識したくないと自説を披露し「食堂でご飯をともにするときこそ、相手の本音が分かる」と言い切っていました。
食べることが好きなイエレン氏は、「同じように料理も好き」と回答しています。カリフォルニア州に長く住んでいた経験から、あらゆる食材がそろうため各国料理に挑戦してきたんですって。当時13歳だった一人っ子の息子さんも関心を示し、一緒に作ったりしたそうです。あのバランス感覚は、各国の食材・スパイスを駆使してきた料理センスで培われたのかもしれません。
出身地ブルックリンの高校では、校内新聞の編集長でした。
(出所 : economicpolicyjournal.com)
登山もお好きというところは、獅子座の彼女の一本気と我慢強さを裏打ちしているようですね。テニスをたしなむものの、スポーツは得意ではなく「グリーンスパン議長(当時)と試合する準備はできていないわ」と控え目です。
そう、グリーンスパン元FRB議長の趣味のひとつはテニスでした。左利きのプレーヤーとして巧みにボールをさばくがごとく、米議会やマーケットを翻弄していたことが思い出されます。バーナンキ前FRB議長は、バスケットボールがお好きだという話でした。FOMCではポイントガードよろしく、見事に司令塔として采配を振るい意見を収束させていましたよね。
イエレンFRB議長の議会証言では、バーナンキ路線の継承を確認しました。ただ証言原稿がバーナンキ前議長の8-12ページから5ページ余りへ短縮させた点を踏まえると、料理に必要な効率の良さを発揮したようにみえます。今後、フィッシャー新FRB副議長とどのようにFOMCを導いていくのか――少なくとも幸先の良い船出を迎えたことは確かでしょう。
(カバー写真 : bloomberg)
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