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ベージュブックとADP、寒さに負けずゆるゆる拡大

by • March 5, 2014 • Latest NewsComments (0)1241

Beige Book Supports Another $10 Billion Tapering, So Does ADP.

ベージュブックの内容は、やっぱり冬将軍が暴れに暴れた爪痕がしっかり残っていました。とはいえ豪雪・大寒波に負けず、ゆるゆると景気拡大の芽はしっかり伸びていたんです。

1)経済活動は、寒波と積雪の悪影響を乗り越え拡大
2)経済活動は拡大ペースは「控え目かつ緩やか」が優勢、前回の「緩やか」から若干の下方修正
3)経済見通しは楽観を維持
4)例年を下回る気温などの余波で、消費活動と自動車販売は弱含み
5)住宅不動産は改善を続けつつ悪天候のせいか「控え目」、商業不動産は堅調
6)雇用は改善トレンドをたどり、物価と賃上げ圧力は限定的

ポイントは4)の経済見通しは楽観を維持。冬将軍が去れば、キャビン・フィーバー(引きこもり恐怖症)の反動で外に出た解放感から、支出大好きアメリカ人が財布の紐を緩める期待が膨らみます。大雪でもめげずに成長をたどっているので、ヒルゼンラス記者が指摘したようにウクライナ不安がくすぶりながら3月に追加で100億ドル縮小してくるのでしょう。

パニック映画で「キャビン・フィーバー」というのもありました。
cabinfever
(出所 : Imdb)

米2月雇用統計は、どうなるのか。本日発表された米指標は、まちまちのシグナルを点灯させていました。

米2月ADP全国雇用者数は前月比13.9万人増となり、市場予想の15.5万人増より低い伸びにとどまりました。
企業規模別では
・中小企業が前月の10.1万人増→9.4万人増へ鈍化
・大企業は前月の2.6万人増→4.4万人増とほぼ倍増
業種別では
・財生産業が前月の1.2万人増→1.9万人増へ伸び拡大(建築がけん引、製造業は小幅な伸び)
・サービス業は前月の11.6万人増→12.0万人増へ伸び拡大
なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含みません。

バークレイズのクーパー・ヒューズ米エコノミストは、今回の結果を踏まえ「3ヵ月平均は15.2万人増となり、1月までの18.7万人増を下回った」と指摘。もっとも、「サービスと建築が増加し、製造業の伸びが小幅だった」程度で悪天候要因は掃けつつあるようです。米雇用統計・非農業部門就業者数(NFP)の速報値とADP全国雇用者数のかい離が「過去6ヵ月間で1.4万人」に過ぎないこともあって、米2月雇用統計・NFPの予想を「15.0万人増」で据え置きました。失業率は、0.1%低下の「6.5%」を見込んでいます。

翻って米2月ISM非製造業景況指数は51.6と、市場予想の53.5より弱い結果となりました。2010年2月以来の低水準です。
内訳をみると、雇用が前月の56.4から47.5と分岐点を割り込み2010年3月以来の水準へ沈んでいました。前月比での下げ幅は、2008年終盤以来で最大といいますからオドロキです。

JPモルガンのマイケル・フェローリ米主席エコノミストは、今回の結果を踏まえ「雇用の大幅低下が2月のヘッドラインを押し下げた」とズバリ戦犯を名指ししていました。悪天候要因が足を引っ張ったのは明らかながら、「米2月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の当方予想を少しばかりナーバスにさせる」とまで、コメントしてましたよ。それでも、米2月雇用統計・NFP予想は「14.0万人増」で据え置きましたが。

なおブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、米1月雇用統計・NFPは15.0万人増、民間就労者数は15.0万人増、失業率は1月と変わらずの6.6%です。

肝心のサービス業でADPとISMの雇用でかい離がみられるように、労働市場はまだまだ極寒の余波を引きずりそう。ただ寒波要因を乗り越えてベージュブックが「経済見通しに楽観的」とありますから、仮に多少弱い数字が出て来てもFedが政策を変更しそうにありません。

(カバー写真 : nythroughthelens.com )

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