日本では、綾戸はるか主演ドラマ「ホタルノヒカリ2」が依然として、根強い人気を誇っているそうですね。米国でも負け犬といいますか、学校の中心から置き去りにされたグリー部の奮闘を描いたGlee が第62回エミー賞で最多ノミネート19部門に輝く偉業を達成したところ。景気低迷で不透明感がくすぶるなか、日米で負け犬キャラが希望の星となっているのでしょうか。
ドラマをまったく観ないので、私のGleeの知識は日本のファンの方に負け負けで、筆者自身も負けキャラの一員と自負しております。個人的にゆるゆる生きているせいか、Gleeには興味アリ。NYのハイソサエティの子女が織り成す恋愛学園ドラマGossip Girl より、断然惹かれますねぇ。
↓Glee。Jane Lynch演じるジャージ先生が凛々しい!
この映画も、負けキャラの逆転劇を描く作品として女性たちの間を中心に高い評価を受けました。女優ドリュー・バリモアが初メガホンを取った記念作品、「Whip it!(日本ではローラーガールズ・ダイアリー)」。ケーブルTVにようやく登場したので、思わずアパートで腹筋してるときに観入ってしまいました・・・。
主演は日本でも「Juno」で一躍その名を知らしめた、エレン・ペイジ。ダイナーで豚のエプロンをしてお小遣いを稼ぐしがない高校生の彼女が、ふとしたことから出会ったローラースケート・バトルを通じ、恋と生きがいに目覚めていくというストーリー。彼女がどれだけ際立ったキャラかというと、わが娘をミスコンテストに出場させることしか頭にない母親を、何と買い物としてHead Shop=麻薬用品販売店へ連れて行ったりするほど。彼女自身は80年代のインディーズロックのこよなく愛するだけで、麻薬に溺れたりはしてません。ちなみに80’sロックに夢中な、イマドキの女の子からはみ出したキャラと言えば、出世作Junoの主人公とかぶってます。
↓王道プリンセス系ではなく、破天荒ダーティエンジェルな彼女たち。キュート!
ローラースケートであって、ローラーブレードでないところがハートをくすぐります。しかも彼女が夢中になる競技=ダービーは、ローラースケートでトラックを滑走しながら、敵方を実力行使で抜き去りがらポイントを稼ぐというボディ・コンタクト溢れる格闘技でもあるんですよ。主人公がはじめてトラックに降り立ったときも、ドリュー演じるスケーターが顔面に思いっきりエルボーを食らって鼻から大出血する有様です。
それぞれのチーム名がまたローラースケートなだけにナウい。主人公とドリューのチームはガール・スカウトなユニフォームどおり「Hurl Scout」。90′sから個性派女優まっしぐらをひた走るジュリエット・ルイスが所属するライバルの常勝チームは「Holly Rollers」。まるでカトリック・スクールの女子高生を思わせるブラック+ホワイトなユニフォームでトラックを駆け巡るのですよ。
他にBlack Widowsなど、茶目っ気たっぷりなネーミングが光ります!さらにキャラの名前もイカしてます。主人公にはBabe Ruthless。ドリューはSmashly Simpson。ジュリエットはIron Mavden・・。分かりますか?ベーブ・ルース、スマッシング・パンプキンズ、アイアン・メイデンなどをダービー風にもじってるんです!!アフロ系ラッパーのEveがRosa Sparksっていうのは、公民権問題を知らないと笑えなかったり~。
↓Iron Mayden、うちの兄のお気に入りバンドのひとつでした。エディが目印。
渋~い出演者に加え、さりげない配役その他に使用するネーミングにちょっとした笑いの隠し味を添えられて、それだけで最高です!さらに本編をつらぬくストーリーは少女の成長を骨太に描いていて、見ごたえたっぷり!!表面的な美しさに捕らわれず、ローラースケートで身体を張りながら、わが道を行く女性陣には、アッパレの一言しか出ません。そんな女性たちだからこそ、ミスコンテンストにこだわり続ける母親と対峙する主人公にあえて「You’re lucky to have a mom who cares about you」 と語りかける意味があるというものです。
↓ジュリエット姐さん(左)の、ふてぶてしい演技が最高☆
世間からはみ出しながらも、ジョークを飛ばしてゴーイング・マイ・ウェイを貫く。自分で選んだ道だから、後戻りはしない。自分らしく生きたいと願う女性に、気持ちよいエールを送ってくれる映画でした。こういうガールズ、大好きです!
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本日はDデーなり。WWIIとは意味が違いますけど Next Post:
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