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ダウ平均17000ドル突破目前:上半期のベスト・ワースト銘柄は?

by • July 1, 2014 • Finance, Latest NewsComments (0)2736

Dow Flirts Around 17000 : What Will Happen In The Second Half?

2014年の折り返し地点を回り、ダウ平均17000ドル突破を試して始まりましたね。

すったもんだウクライナやらイラクなど地政学的リスクが高まったりしつつ、上半期はダウ平均が1.5%上昇、S&P500は6.1%、ナスダックは5.5%と好調のうちに幕を閉じました。S&P500にいたっては、終値ベースで22回にわたって過去最高値を更新しています。

Hindsight is 20/20(後知恵は視力が良い)日本語でいう「下種の後知恵」との指摘が聞こえそうですが・・下半期の傾向を読むために上半期の上位・下位銘柄をマーケットウォッチを頼りに振り返ってみました。

セクター別でみると、原油高の恩恵を受けてエネルギーが3銘柄ランクインしております。上記のように地政学的リスクに煽られ、上昇した感は否めません。医薬品は2銘柄でした。傾向としては、M&A対象銘柄の躍進も目覚ましい。しわ取り注射「ボトックス」で有名なアラガンには加バリアントと物言う投資家ビル・アックマン氏率いるパーシング・スクエアが共同買収を提案。エネルギー大手ペプコ・ホールディングスは原発大手エクセロンが食指を伸ばしました。

以下、上位10銘柄。
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(出所 : Marketwatch)

下位10銘柄では、決算内容で予想されたようにワースト5位を含めオンラインを含めた小売関連7銘柄と圧倒的でした。特にコーチはマイケル・コースやトリー・バーチといったアメリカ産ブランドの攻勢を受け、過去の栄光はどこへやら。他の小売は1)大寒波、2)アマゾンとの価格競争で敗北、3)中低所得者層の需要鈍化――などが敗因と考えられます。

以下、ワースト10銘柄。
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(出所 : Marketwatch)

小売銘柄がこれだけ落ち込んだ個別の理由は、以下の通り。

・コーチ→1-3月期の売上高は主力の北米が足を引っ張り20%減、2014年通期は売上高10%減の予想を維持

・ステープルス→2-4月期の売上高は前年同期比3%減、店舗閉鎖と為替要因で打撃、2013年に競合オフィス・デポがオフィスマックスを買収した余波も

・ホールフーズ→1-3月期の売上高・既存売上高ともイースターの祝日がずれ込み好調も、2014年度通期利益・増収率・既存店売上高ともに下方修正

・ベッド・バス・ビヨンド→3-5月期の売上高は前年同期比1.7%増で予想以下、6-8月期利益見通しは予想以下

・ベストバイ→2-4月期の売上高は前年同期比3.3%減、既存店売上高は1.9%減、既存店売上高は5-7月期と8-10月期とも1-4%減を予想

・TJマックス→2-4月期の売上高は前年同期比4.9%増と予想以下、既存店売上高は1%増のところ同社従来予想1-2%増のレンジ下限にとどまる

オンライン小売の王者アマゾンは1-3月期決算こそ売上高が23%増の197億4000万ドルと市場予想と一致しつつ、4-6月期は181億-198億ドルと市場予想の194億2000万ドル以下でした。営業損益にいたっては、4-6月期に前年同期の7900万ドルの黒字から5500万ー4億5500万ドルと振れ幅の大きい赤字を予想する有様です。「ファイアTV」、「ファイア・フォン」など意欲的に事業拡大を進めつつ、収益が伴うかは現時点で未知数。下半期に息を吹き返すか、試されます。

では下半期、株式相場はどうなるのでしょうか?

7月8日引け後のアルコアで幕を開ける4−6月期決算で、うらなってみましょう。ファクトセットによると、S&P500構成銘柄全体では1株当たり利益見通しは5.1%と1−3月期の2%付近を大きく上回っていました。とはいえ、3月末時点の6.8%から下方修正をたどっています。売上は2.9%と、こちらも3月末の3.5%から下方修正が相次いでいるんです。1−3月期からの回復は、3%近辺が予想される4−6月期国内総生産(GDP)予想ともども、それほど高い数字ではありません。

セクター別の4−6月期1株当たり損益予想では通信がベスト、金融が最下位。
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(出所 : Factset)

セクター別の4−6月期売上予想ではヘルスケアがベスト、エネルギーが最下位。
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(出所 : Factset)

年内の予想をみると、1株当たり利益は7―9月期が9.4%、10−12月期は10.3%と、モメンタム復活の熱気が感じられる数字がでていました。しかし、売上高は7−9月期が3.6%、10ー12月期にいたっては3.0%。利益ほど著しい伸びは見られません。企業は、緩やかなペースでも景気が拡大する限り 1)コスト削減、2)賃金の伸び抑制、3)正社員の採用手控え、4)設備投資先送り——で利益を確保の余地があるのでしょう。しかし、売上は4項目の裏返しで大幅増加が期待できない——。米株市場は増配、自社株買い、M&A、Fedなど中銀の低金利政策などで4本の足で立つ椅子のように安定していますが、いつまで心地良く座れるかには疑問が残ります。

(カバー写真 : Business Insider)

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