More Americans Are Turning Into ‘Work Martyrs’.
皆さま、夏休みは満喫されたでしょうか。海や山へ、海外など、家族や心の通じ合う友人とリフレッシュする時間は貴重ですよね。
アメリカ人と言えば、バケーションを謳歌するため有給休暇を完全燃焼するイメージがあることでしょう。ところが最近、変化が現れています。米国旅行協会の依頼を受けGfKパブリック・アフェアーズが約1300人を対象に調査したところ、夏休み返上で働き続ける傾向が高いことが分かりました。有給休暇を完全消化しない割合は、40%に達していたのです。
日本人的な解釈は、「6割は有給を100%使い切るのか〜」かもしれませんね。
有給休暇を残してしまう理由のランキングは、こちら。
1位 休暇を取った後に仕事が山積みになる 40%
2位 自分以外、担当の業務を処理できない 35%
3位 休暇を取る余裕がない 33%
3位 職場で昇進すると休暇が取りづらい 33%
5位 責任感を会社に示したい 28%
6位 自分の代わりがきくと思われたくない 22%
6位 有給をロールオーバーできる 22%
8位 未消化分の有給休暇が給与に上乗せされる 21%
9位 休暇中でもeメールで仕事を依頼される 20%
9位 社風で有給休暇を奨励していない 20%
9位 有給休暇を取るのに罪悪感を感じる 20%
驚くべきことに英語でいう「Work Martyrs Complex=仕事への殉教者コンプレックス」、日本語で「社畜」状態の回答もチラホラ見受けられます。挙げ句の果てには「上司の反応が怖い」が17%、「失職する懸念がある」も16%と、決して低くはありません。理由は会社にあり、「雇い主が有給休暇を奨励する」との回答は33%。有給消化を控えるムードが立ち込めている様子がうかがえます。アメリカ人もひとの子、空気を読むんですね。
別の調査をみても、アメリカ人の有給休暇への消極性は明らかです。米調査会社ハリス・インタラクティブは約2300人を対象に実施した最新調査で、有休消化率が51%にとどまったと報告していました。
有給休暇は気分転換に加え、仕事のモチベーションや能率を高めるためにもマストです。調査でも、必要と認識する回答は96%に達してしました。承知していながら休暇を完全消化しないのは、金融危機後の雇用事情にあるのかと推測してしまいます。
国別の有給休暇日数をみるとアメリカは13日と、イタリアの42日やフランスの37日より格段に少ないどころか主要国で最も短いんですよね(日本は真偽は別として25日)。米経済政策研究センターの定義でも「6日間の連邦政府の祝日+年間ベースで約10日の有休」と16日程度ですから、アメリカ人は有給休暇をフル活用しないと本当に「殉教者」になってしまいそうです。
(カバー写真 : Patrick Gensel)
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