Fed Survey : Wall Street Eyeing December For Fed To Erase ‘ Considerable Time ‘.
米連邦公開市場委員会(FOMC)直前恒例、CNBCがまとめたウォールストリート関係者を対象とした世論調査「Fedサーベイ」をお伝えします。今回、39人を対象に前週23—24日に行った10月分の直前レポート、今回の内容を見ていきましょう。以下、⇒は筆者の補足説明になります。
1)「相当な期間」にわたる低金利の文言を削除する時期は
・10月→23%(9月時点:24%)
・12月→41%(9月時点:24%)
・1月→13%
・1月以降→21%
⇒マーケットが注目する「相当な期間(considerable time)」の文言、モルガン・スタンレーとJPモルガンは維持を予想しています。12月を予想する回答が多数派とはいえ、1月以降の意見が出てきており利上げ後ろ倒し派の台頭が読み取れます。
2)10月FOMCでQEを終了させるか
・イエス→97%(9月時点:95%)
・ノー→3%(9月時点:5%)
3)第1弾の利上げ時期、予想平均
・今回→平均で2015年7月
(9月16日時点→2015年6月、8月20日時点→2015年7月、7月29日時点→2015年8月)
⇒マーケットでの利上げ織り込み度は後退しつつ、CNBC調査では予想変わらず
4)FF金利予想
・2014年12月
今回→0.10%(9月16日時点→0.14%、8月20日時点→0.16%)
・2015年6月末
今回→0.33%(9月16日時点→0.40%、8月20日時点→0.39%)
・2015年12月末
今回→0.89%(9月16日時点→0.98%、8月20日時点→0.89%)
・2016年6月末
今回→1.48%(9月16日時点→1.56%、8月20日時点→1.53%)
・2016年12月
今回→2.04%(9月16日時点→2.13%、8月20日時点→1.99%)
5)FF金利引き上げを開始後、どの水準で止めるべきか/どの水準で終了すると予想するか
・止めるべき水準→3.40%(9月16日時点→3.39%、8月20日時点→3.44%)
・終了すると予想する水準→3.30%(9月16日時点→3.20%、8月20日時点→3.16%)
6)FF金利引き上げサイクルを終了する時期は
・今回→2017年10−12月期(9月16日時点→2017年7−9月期、8月20日時点→2017年10—12月期)
7)いつバランスシートを削減するか
・今回→平均は2015年10月
(9月時点→2015年10月、6月時点→2015年12月)
8)2015年のバランスシートは、どれだけ増加/減少するか
・今回→540億ドル減
・9月16日時点→830億ドル減
・8月20日時点→600億ドル増
・7月29日時点→240億ドル増
・4月28日時点→1460億ドル減
9)QE3終了後、QE4を1年後あるいは2年後に再開させる確率は
・1年後
今回→14.4%
9月時点→10.0%
・2年後
今回→18.4%
9月時点→14.0%
⇒2014年10月のQE終了を経て1−2年後に再開となれば、見通しの上では利上げサイクル過程にあります。
10)2015年のFedによる金融政策、タカ派/ハト派どちらのリスクが強いか
・ハト派寄り→64%(9月時点は53%)
・タカ派寄り→13%(9月時点は39%)
・リスクは均衡→21%(9月時点は8%)
11)S&P500予想
・2014年末
今回→1999p(9月時点→2032p、7月時点→2000p)
・2015年6月末
今回→2066p(9月時点→2109p、7月時点→2053p)
・2015年12月末
今回→2111p(9月時点→2149p、7月時点→2075p)
12)米10年債利回り予想
・2014年末
今回→2.49%(9月時点→2.76%、7月時点→2.83%)
・2015年6月末
今回→2.90%(9月時点→3.16%、7月時点→3.15%)
・2015年12月末
今回→3.19%(9月時点→3.45%、7月時点→3.43%)
13)GDP予想
・2014年
今回→2.28%(9月時点→2.26%、7月時点→1.89%)
・2015年
今回→2.90%(9月時点→2.90%、7月時点→2.75%)
14)CPI予想
・2014年→1.77%(9月時点→1.99%)
・2015年→2.01%(9月時点→2.27%)
⇒ディスインフレ懸念と原油先物を始めとする商品価格の下落を受け、そろって下方修正。インフレ目標値達成は2015年に持ち越しです。
15)世界で最大のリスク材料は(1−10スコアで10が最悪)
・欧州経済の鈍化→5.4(9月時点→5.4)
・アジア経済の鈍化→4.4(9月時点→ゼロ)
・ISIS→4.3(9月時点→4.7)
・ロシア、ウクライナ情勢→3.7(9月時点→5.0)
・エボラ蔓延→2.7(9月時点→ゼロ)
⇒ユーロ圏経済、中国動向への関心が強い半面、エボラ出血熱をめぐっては米10月消費者信頼感指数で分かるように日本ほど懸念は強くありません。
16)欧州中央銀行(ECB)が国債買い入れを実施するか
・イエス→74%
・ノー→15%
・分からない→10%
17)ECBが国債買い入れを実施する時期は?
・回答の平均→2015年2月、最も多い回答は2014年12月
18)米国がリセッション入りする危険性は?
・今回→15.1%(9月時点→15.0%と少なくとも2011年以降で最低、7月時点→16.2%)
19)最も関心がある分野
・経済→51%(9月時点→50%)
・株式→13%(9月時点→17%)
・債券→18%(9月時点→14%)
・通貨→3%(9月時点→3%)
・その他→15%(9月時点→17%)
いかがでしたか?FF金利見通しをはじめ、9月時点とさほど内容は変わっていませんでした。マーケットも今回はQEの幕引き以外、変更が加えられるとは想定していません。QEに終止符を打った後、経済・金利見通しやイエレンFRB議長の記者会見を控えるだけに、「相当な期間」を削除する時期は12月にスポットライトが当たります。
(文中写真:CNBC、カバー写真:AEI)
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