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【追記】感謝祭を含む週末のホリデー商戦、オンラインに反し惨敗

by • December 1, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off3154

Earlier Deals Took A Toll On Thanksgiving Weekend Traffic And Sales.

今年のサンクスギビング・デー、家人のファミリーはそろって晩餐を満喫しておりました。赤ワイン片手にワイワイがやがや、一向に出掛ける気配はなく。ブラック・フライデーの出血大サービスをめぐる会話すら、耳に届いてきません。友人への聞き込み調査でも、天候不安もあって祝日にショッピング詣でに参るとの回答はゼロに等しく、2013年とは明らかに風向きが変わっていました。

周囲の腰が重かったように、北東部で積雪に見舞われた影響もあって今年のホリデー商戦開幕戦は惨敗でした。全米小売業協会(NRF)によると、感謝祭の木曜日から日曜まで4日間の店舗およびオンライン買い物客数は1億3370万人と、前年比で5.2%の減少を示していたのです。サンクスギビング・デーは3.8%減の4310万人、ブラック・フライデーにいたっては6.5%減の8690万人と、そろって前年比割れに陥っていました。

多くの店舗が開店時間の前倒しや延長に乗り出した動きに合わせ、ショッピングへの出足も繰り上げられた結果、特にブラック・フライデーにしわ寄せがきたかたちです。ショッパーズ・トラックの調査でも、サンクスギビング・デーの客足は27.3%増だった一方で、ブラック・フライデーになると5.6%増とガクンと伸びを縮小させていました。

感謝祭を含む週末、確かに人影はまばら。
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(出所:Shannon Stapleton/Reuters)

肝心の支出額はどうでしょうか?

対象期間中の総支出額見通しは、前年比11%減の509億ドル(約6兆円)。ガソリン価格の下落や米株高といった資産効果を受けながら、こちらも予想外に落ち込んでいました。1人当たり支出額も、6.4%減の380.95ドル(約4万4950円)という体たらく。オンラインでの支出額も他の調査と異なりバラ色とはほど遠く、159.55ドル(約1万8830円)と前年比で10.2%も沈んでおりました。

NRFのマシュー・シェイ最高経営責任者(CEO)兼会長は、結果に対し「経済の強まりと顧客の値引き依存が競争の激化を招き、プロモーション活動の前倒しも重なってオンラインで24時間買い物できる環境が整って、ホリデー商戦のショッピング動向に変化をもたらした」と説明しています。つまりは、顧客はオンラインに走ったというわけですね。

それにしても、感謝祭を含む週末のオンライン売上高まで前年比マイナスだったのは意外でした。過去最高を更新したアドビウォルマートとハッキリ明暗を分けた一つの理由として、アドビが11月1日からブラック・フライデーまでの28日までの数字だったこと、ウォルマートはサンクスギビング・デーのみと対象期間が異なっていた点が挙げられます。

問題は、ホリデー商戦全体で過去最高の予想を達成できるかどうか。アドビの調査によると、少なくともオンライン売上高はサイバー・マンデー後に下火へ向かうと予想されているからです。

オンライン売上高、サイバー・マンデーでピークアウトへ。
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(出所:Adobe)

今年のホリデー商戦、過去最高を記録するNRFの見通しに黄信号が点灯するかどうかは、サイバー・マンデーが命運を握ります。

【追記】

ショッパーズ・トラックの調査でも、サンクスギビング・デーの店舗訪問客は27.3%増でしたがブラック・フライデーは5.6%減でした。小売業がセール開始を前倒ししたため、サンクスギビング・デーに集中しています。2日間の総支出額は0.5%減の122億9000万ドル(1兆4500億円)と、NRFの数字とかい離しつつ前年比割れ。ショッパーズ・トラックの創立者ビル・マーティン氏は、結果について「2013年の例を踏まえると、感謝祭を含む週末はホリデー商戦の動向と相関性が低い」と指摘します。2013年の場合、サンクスギビング・デーで幕開けする週末は1%増だったものの、ホリデー商戦全体では3.1%増でした。

IBMが発表したブラック・フライデー・レポートでは、感謝祭の支出額が前年比14.3%増、ブラック・フライデーは9.5%増とこちらも感謝祭の伸び率が目覚ましい。総支出額はそれぞれ前年比プラスでしたが、ブラック・フライデーの平均支出額は前年比4.36%減の129.37ドル(1万5270円)だったのも、今年の傾向を顕著に表しています。

コムスコアが実施した11月1—28日のホリデー商戦は逆に、前年比15%増の226億9600万ドル(2兆6780億円)でした。サンクスギビング・デーとブラック・フライデー両日は28.1%増の25億1400万ドル(2990億円)と、オンライン売上高に近い好結果となっていました。

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(出所:comScore)

NRFの調査が他と異なる最大の理由は、調査方法にあります。NRFが消費者4631人を対象とした聞き取り調査である半面、他は小売業者の決済ベースなんですね。従って、一部のアナリストはNRFの数字に懐疑的な目を向けるのも事実。どちらの数字が正確に実体を表すのか、今後の数字を含め見極めが必要とされます。

(カバー写真:David Paul Morris/Bloomberg)

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