U.S. Stock Market Turns Positive For The Year While Companies Start To Restructure.
米株は8日、米12月雇用統計前に見事なカムバックを果たしました。ボラティリティに揺れる日々を経て、ダウ平均とS&P500が一目均衡表の雲の下限と50日移動平均線を破り、12月17日の安値が視野に入ったところで買い戻し。景気に楽観的だった12月16−17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、米12月ADP全国雇用者数などの米指標の上向きもモメンタムを取り戻すきっかけとなったのでしょう。
S&P500、2000pを割り込んだ後は上昇に反転。
(出所:Stockcharts)
WTI原油先物が6日に2009年4月以来の48ドル割れで引け、ブレント原油先物も7日に一時50ドル割れを示現した後に下げが一服したことも、米株のサポート要因になりました。
米指標の好転だけでなく、ティーン向け服飾小売がホリデー商戦で健闘し小売業界の悲観ムードを払拭させています、
▽アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ
・1月4日まで9週間の既存店売上高は前年同期比2%減、市場予想の4.4%減および前年同期の7%減から改善
・11−1月(第4四半期)の1株当たり利益見通しは32−34セント、従来の30−33セントから上方修正
・粗利益率で「大幅な改善」を報告、値引率を縮小
▽アエロポステール
・1月3日まで9週間の既存店売上高は9%減、市場予想の8.8%減より拡大も前年同期の15%減から縮小
・11−1月期(第4四半期)の1株当たり損失見通しは25−31セント、従来の37−44セントから縮小
▽アーバン・アウトフィッターズ
・2014年12月末まで2ヵ月間の既存店売上高は前年同期比4%増、「フリー・ピープル」が17%増だったほか「アンソロポロジー」が5%増、不調続きの「アーバン・アウトフィッターズ」も1%増と軒並み増加。アナリストの11−1月期予想平均は2.5%増で、「アーバン・アウトフィッターズ」の減少を織り込む
アメリカン・イーグルス、ただいまジーンズ1着購入で2着目は半額です。
(出所:American Eagles Outfitters)
苦戦を強いられてきたティーン向け服飾ブランドがそろって改善の兆しをみせた一方で、百貨店大手は8日引け後に大幅リストラを発表しました。
メイシーズは今年、2店舗を新たにオープンさせると同時に14店舗の閉鎖を決定。全米で2000人の人員削減に踏み切る方針で、11−1月期に関連費用を1億—1億2000万ドル計上するといいます。今回の再編により、年間で1億4000万ドル節減する計画。テリー・ランドグレン最高経営責任者(CEO)は、資料にて「消費者が向かう業務に資本を注力していかねばならない」との見解を表明しており、オンラインやアウトレットを強化する方針を打ち出しています。
既存店売上高の結果が芳しくなかったからでしょうか?いえいえ、1月3日までの9週間の既存店売上高は前年同期比2.7%増だったんです。同社の11−1月(第4四半期)既存店売上高の予想「2−3%増」のレンジ上限近くでした。堅調だった結果を受け、11−1月期既存店売上高の予想を「2.5−3.0%増」とし、レンジ下限を引き上げたほどです。
ただしインターネット販売が底上げしており、同社が8つの市場で「オンライン注文→店舗で商品ピックアップ」のショッピング・スタイルを試験的に導入したところ、顧客のハートをつかんで好評でした。
メイシーズのほか、コカコーラも8日に世界全体で従業員を1600—1800人の大幅リストラ計画を発表しました。30億ドルのコスト削減計画の一環です。女性向けカジュアル服飾ブランドのウェット・シールも7日、店舗のうち66%を閉鎖するとともに3700人のリストラ計画を明らかにしました。
新年早々、大規模なリストラが発表されている上に1月3日週の米新規失業保険申請件数の減少もテクニカル要因という可能性を秘める。1月以降の労働指標は、これまでのペースを維持できるか微妙な風向きとなってきました。
(カバー写真:Roger/Flickr)
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