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24時間営業の韓国レストラン、従業員の給料未払い額は3億円

by • March 24, 2015 • Latest News, NY TipsComments Off4696

Judge Ordered ‘Kum Gang San’ Owner To Pay $2.67 Million To 11 Employees.

ニューヨークにはエンパイア・ステート・ビルから2ブロック先に韓国街、通称K-townがございます。24時間営業のレストランがひしめき、朝方まで人通りが絶えることはありません。マンハッタンだけでなく、第2のチャイナタウンとも呼ばれるフラッシングにも勢力を拡大中。アジア系移民の増加を背景に、韓国レストランは続々オープンしています。

そんな24時間営業を売りにした韓国料理レストラン”Kum Gang San”のフラッシング店で、不正が発覚しました。米連邦下級判事はオーナーおよびマネージャー2名に対し、11人の従業員へ267万ドル(約3億2000万円)の賃金支払いを命じたのです。ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙によると、従業員11名は労働法違反を理由に提訴。時給が最低賃金(NY州は2015年から8.75ドル=1050円)以下だった上に、残業代なしで18時間労働を余儀なくされたほか、オーナーのために雪かきを強制され、オーナーの息子の引っ越しを手伝わされ、挙げ句の果てには休日出勤で郊外にある畑で白菜狩りに駆り出されたといいます。オーナー側は従業員の多くが不法移民だっただけに、強気でいられたのでしょうか。

親会社Kum Gangの不祥事は、今回だけにとどまりません。2005年には、マンハッタン店で従業員給与をごまかした不正帳簿が見つかりました。2010年には、従業員66名による訴訟に敗北し195万ドル(約234万ドル)の給与支払いを命じられ、閉店に追い込まれています。同じく2010年には、フラッシング店で児童労働法違反で4000ドル(約48万円)の罰金を科されていました。

米連邦下級判事がレストラン側に賃金支払いを突きつけたため従業員に勝利をもたらしたものの、安心は禁物です。2010年当時の給与支払い命令、195万ドル相当は未だ実行されておりません。

ニューヨーク市内での賃金不払い騒動は、残念ながら珍しくないのが実情です。1月には、ビーガン向けレストラン”Pure Food And Wine”の従業員が1ヵ月以上もの給与遅配を受けてストライキに入りました。結局は、閉店で幕引きしています。

笑顔の方もいらっしゃいますが、寒空の下での抗議活動は骨が折れたことでしょう。
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(出所:Eater)

セレブリティ・シェブで巨大イタリア料理系マーケット”イータリー(Eataly)”を手掛けるマリオ・バタリ氏には、2012年に従業員と525万ドルの支払いで和解したケースがございます。

1980年にリリースされたドリー・パートンの曲”9 to 5”は、朝9時から夕方5時まで働いて「一体なんていう暮らしだろう、やっとのことで生きていけるだけ(What a way to make a livin’ Barely gettin’ by)」などと労働者の悲哀を歌っていました。あれから35年。日本では社畜化が進む一方、アメリカでは訴訟で未払い分を勝ち取っても報われない方々が存在しています。

(カバー写真:Kum Gang San)

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