Yellen Won’t Attend Jackson Hole Event This Year.
引け後に飛び込んで来たニュースです。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、カンザスシティ連銀主催のジャクソン・ホール会合に欠席する方針。退任を控え2013年、FRB議長だったバーナンキ氏が欠席して以来となります。
ジャクソン・ホール会合といえば、ご存じ毎年8月後半に開催され中央銀行総裁から著名エコノミストまで集まる経済イベント。政策変更に踏み切る傾向が高い9月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の前哨戦として、バーナンキ時代に大活躍してきました。2010年には量的緩和第2弾(QE2)を示唆したほか、2012年にもQE3へのヒントを点灯。グリーンスパンFRB元議長も、2005年には「経済の不均衡」を指摘した上で任期切れを控え住宅市場バブルに懸念を示していましたね。
イエレン氏は、2014年に議長として初登場。会合のテーマ「労働市場のダイナミズムを再評価」について講演し、利上げに急がないスタンスながら政策の方向は出口を指すスタンスを打ち出していたものです。今年は直近で9月利上げ観測が浮上するなかで、ダウ平均をはじめ米株主要3指数が1%以上も下げて引けた直後にこのニュース。米株の調整ムードを抑える狙いがあったのかと、勘繰ってしまいますね。あるいは、中央銀行や著名人などが一同に会するイベントで利上げのろしを上げれば、共和党を中心とするアンチFedにつけ入る隙を与えると判断したのでしょうか。共和党が多数派を握る米議会内で監視体制を強化しようとする案が出ていますから、コミュニケーション手段も慎重にならざるを得ないでしょう。
ちなみに、昨年のジャクソン・ホールではドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁と談笑する姿が見受けられたほか、あろうことかセンター・フォー・ポピュラーデモクラシーによるデモ隊員がイエレンFRB議長と会話する場面もみられました。警備上の問題も、浮上していたのかもしれません。
至近距離で、どんな会話をしていたのでしょうか。
(出所:AP)
逆に言えば、6月16〜17日開催、7月28〜29日開催のFOMC、それぞれの議事録、7月の旧ハンフリー・ホーキンス証言がカギとなり得ます。直近のイエレンFRB議長やフィッシャーFRB副議長の講演を振り返れば、9月16〜17日開催のFOMCで利上げ観測は捨てきれず。ダウ平均をはじめ3指数は50日移動平均線で持ちこたえたものの割高感もくすぶっており、米株は9月利上げ観測正念場を迎えつつあります。
(カバー写真:Bradly Boner/Bloomberg)
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