ISM Non-Manufacturing Index Dips From 5-Month High.
米5月ISM非製造業景況指数は55.7となり、市場予想の57.2を下回った。5ヵ月ぶりの高水準だった前月の57.8から鈍化。内訳をみるとビジネス活動をはじめ新規輸出受注、仕入れ価格が前月を上回った半面、新規受注や雇用などが下振れしていた。詳細は、以下の通り。
ビジネス活動 59.5>前月は61.6、2014年11月以来の高水準
新規輸出受注 55.0>前月は48.5、2014年2月以来で最悪
仕入れ価格 55.9、直近で最高>前月は50.1
新規受注 57.9<前月は59.2
雇用 55.3<前月は56.7、6ヵ月ぶりの高水準
在庫センチメント 59.0<前月は59.5
BNPパリバのブリックリン・ドワイヤー米エコノミストは、結果を受け「雇用が鈍化したとはいえ米5月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は当方の予想24.0万人増と整合的」との見方を示した。米5月ADP全国雇用者数やコンセンサスより、強含みを見込む。半面、「サービス業のセンチメント低下は消費者信頼感と凌ぐ」と指摘。最終的に「消費鈍化のリスクを点灯させる」との考えを明らかにし、慎重なスタンスへ寄せている。
米5月マークイット・サービス業PMI欠く方値は56.2となり、速報値の56.4から下方修正された。市場予想の56.5にも及ばず。前月の57.4からも低下している。内訳をみると、速報値通り新規受注やビジネス活動が足を引っ張った。ただし雇用は2014年6月以来の高水準を達成。総合PMIは56.0と、前月の57.0から低下した。
サービス業PMI、冬期の減速からの回復余地は限定的か。
発表元であるマークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受けて「サービス業の失速は、経済のモメンタム低下をほのめかす」と指摘した。米5月マークイット製造業PMI確報値と合わせ「ドル高がサービス業、製造業ともに打撃を与えており、米4−6月期国内総生産(GDP)の回復に疑問を与える」との見方も。ただ雇用が好調なだけに「成長鈍化局面でも、Fedは利上げ開始が適切との判断を下す余地がある」との認識を示した。
(カバー写真:Myndset)
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