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グーグルQ2、コスト削減と広告収入改善で予想超え

by • July 16, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2596

Earnings Roundup : Google, eBay, Unitedhealth.

検索エンジン最大手が引け後に発表した 4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比17.3%増の39億3100万ドルだった。一時的な項目を除く1株当たり利益は6.99ドルとなり、市場予想の6.70ドルより強い。収入は11.1%増の177億2700万ドルで、市場予想の177億3000万ドルとほぼ一致。為替差損を除く場合は、18%増だったという。トラフィック獲得費用(TAC)が2.6%増の33億7700万ドルだったため、TACを除く収入は143億5000万ドルと、こちらも市場予想の142億7000万ドルを超えた。収入に占めるTACの割合は21%と、1−3月期の22%および前年同期の23%から低下していた。

収入の内訳は、以下の通り。

>広告収入:前年同期比11%増の160億2300万ドル、1−3月期から3%増
・グーグル本体:前年同期比13%増の124億200万ドル、1−3月期からは4%増
・グーグルの提携先サイト:前年同期比2%増の36億2100万ドル、1−3月期からは1%増
>その他の収入:前年同期比17%増の17億400万ドル、1−3月期からは3%減

ペイドクリック数は前年同期比18%増となり、1−3月期の13%減から前年比で大幅増に反転している。前前期比でも7%増を果たした。特にグーグル本体で30%増とけん引し、提携サイトは9%減となる。クリック単価は前年同期比11%減で、1−3月期の7%減から一段と弱含んだ。

営業費用は収入のうち36%となり、1−3月期および前年同期の35%を上回った。TACを除く売上費用は18%と前年同期と変わらず、1−3月期の17%からわずかに上昇している。一方で、設備投資が前年同期比5%減の25億2000万ドル。フリーキャッシュフローは50%増の44億7000万ドルへ膨らんだ。広告収入、ペイドクリック数などの改善を背景に、株価は時間外取引で一時8%も急伸した。

追記:カンファレンス・コールにて、オミッド・コルデンスタニ最高業務責任者(CBO)は「米国における18〜49歳の視聴者数で、ユーチューブはいずれの米国内TV局を上回った」と明かした。また「視聴時間も長く、携帯端末では前年比50%延び40分に及んだ」という。動画ストリーミングで支配的な地位を築くユーチューブこそ、グーグルの業績けん引役だったことになる。

その他、寄り前に発表された決算をおさらいしておきます。

▽eベイ、ペイパルのスピンオフ前に好決算を計上

オークション運営サイト大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比87.8%減の8300万ドルだった。一部項目を除く1株当たり利益は0.76ドルと、市場予想の0.72ドルより強い。収入は6.8%増の43億8000万ドルとなり、市場予想の41億ドルを上回った。

売上の内訳をみると、eベイの中核であるマーケットプレイス部門はドル高の影響を受け3%減の21億1600万ドルで、為替差損を除く場合は5%増となる。スピンオフ(分離・独立)を予定するペイパルは16%増の22億6000万ドルと、成長エンジンたる存在感を見せつけた。同部門は20日、スピンオフに伴い別会社としてナスダックに上場する。

ペイパル、ティッカーはPYPL。
PayPal
(出所:Jeff Chiu/AP vis Fortune

決算に合わせ、企業向け電子商取引事業を請け負うエンタープライズ部門をプライベート・エクィティのパルミラ率いるコンソーシアムに9億2500万ドルで売却すると発表。自社株買いも10億ドル引き上げる方針も明らかにした。決算や部門売却、自社株買いの引き上げを好感し、株価は3.4%高で取引を終えた。

▽ユナイテッドヘルス、増収・増益もM&Aを意識

医療保険最大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比13%増の15億9000万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は1.64ドルで、市場予想の1.58ドルより強い。収入は11%増の362億6300万ドルで、市場予想の356億6000万ドルを上回った。

内訳をみると、医療データ分析を含むサービス提供部門オプタム(Optum)が16%増の136億ドル。保険事業部門のユナイテッドヘルスは10%増の331億ドルだった。医療損害率は81.4%となり、前年同期の81.6%から低下した。

2015年の売上高は1540億ドルを掲げ、従来の1430億ドルから引き上げた。1株当たり利益も6.25〜6.35ドルを見込み、6.15〜6.30ドルから上方修正。薬剤給付管理(PBM)大手カタマランを128億ドルで買収した恩恵を反映している。

カンファレンス・コールで、スティーブン・ヘムズリー最高経営責任者(CEO)は、「極めて積極的」に買収・合併(M&A)を進めて行く方針を表明。同社は同業エトナに対し6月、約400億ドルで買収を打診していた。3月に買収したPBM大手カタマランについては、数週間以内に完了する見通しも示した。増収・増益を達成しながら、株価は最高値に接近した後で売りに転じ0.7%安で引けた。

(カバー写真:Digital Trends

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