22日の決算レビュー：コカコーラ、ボーイング

by Sawako • July 22, 2015 • Finance, Latest News • Comments Off • 1633

Earnings Roundup : Coca-Cola, Boeing.

22日寄り前に発表された主な決算を振り返ります。

▽コカコーラ、値上げと炭酸以外の飲料が寄与し予想上回る

飲料メーカー大手が発表した4−6月（第2四半期）決算では、純利益が前年同期比19.8％増の31億800万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.71ドル。特殊項目を除く1株当たり利益は0.63ドルと、市場予想の0.60ドルより強い。

売上高は3.3％減の121億5600万ドルとなり、市場予想の121億ドルを上回った。米国で原材料コストが低いミニボトルを販売し、売上を伸ばしたかたちだ。またキャシー・ウォーラー最高財務責任者（CFO）によると、世界全体での値上げが奏功したという。1−3月期も世界全体で3％の値上げに踏み切った影響で、9四半期ぶりに増収に転じていた。為替変動などを除く売上高は4％増となり、ドル高の影響で7％押し下げられている。数量ベースの売上は前年同期比2％増となり、炭酸飲料が1％増だったものの炭酸以外が5％増とけん引した。

製造コストこそ1.5％減の47億4800万ドルだったが、粗利益率は60.9％と前年同期の61.7％から低下した。営業利益率も20.9％と、前年同期の25.2％に届かず。調整済みでも前年同期を下回った。

地域別での動向は、以下の通り。％は前年同期比で、全ての地域で炭酸以外の飲料が寄与している。

＞北米（純売上高は51億ドル、全体の47.6％）
数量ベースでは2％増、炭酸飲料が1％増に対し炭酸以外は4％増
売上高は3％増、為替変動を除くと5％増

＞欧州
数量ベースでは1％増、炭酸飲料は横ばいながら炭酸以外が7％増
売上高は9％減、為替変動などを除くと3％増、為替差損は12％減

＞アジア太平洋
数量ベースでは3％増、炭酸飲料が1％増に対し炭酸以外は5％増
売上高は7％減、為替変動などを除くと1％増、為替差損は8％減

＞南米
数量ベースでは2％増、炭酸飲料が横ばいに対し炭酸以外は5％増
売上高は13％減、為替変動などを除くと11％増、為替差損は24％減

＞ユーラシア・アフリカ
数量ベースは4％増、炭酸飲料は3％増で炭酸以外は7％増
売上高は10％減、為替変動などを除くと4％増、為替差損は14％減

キャシー・ウォーラーCFOは、カンファレンス・コールで「BRICs諸国に対する懸念を共有している」と述べた。2015年は、ドル高により売上高につき6％の押し下げ効果を予想。営業利益は11％、税引き前の利益は7〜8％の向かい風を見込む。7−9月期は売上を7％、営業利益を13％、税引き前利益を10％押し下げる見通しだ。株価は予想を上回る決算を手掛かりに、一時0.4％上昇した。

▽ボーイング、「KC−46」の費用引き当ても業績は予想超え

航空機製造大手が発表した4−6月（第2四半期）決算では、純利益が前年同期比33％減の11億1000万ドルだった。給油機「KC—46」のデザイン問題で税引き後に5億1300万ドルの費用を引き当てたため、大幅減益を計上している。年金費用などを除く調整済みコア1株当たり利益は1.62ドルと、市場予想の1.37ドルより強い。売上高は11％増の245億4300万ドルと、商業機が支え市場予想の242億2000万ドルを上回った。受注残額は4890億ドル相当で、商業機で5700機を数える。

営業キャッシュフローは32億9700万ドルと、前年同期の18億900万ドルから82％も拡大。1−3月期の8800万ドルからも、大幅に改善している。フリーキャッシュフローも26億500万ドル。「787 ドリームライナー」の繰り延べ生産費用で落ち込んだ1−3月期のマイナス4億8600万ドルから、大幅なプラスへ反転させた。

売上の部門別動向は、前年同期比ベースで以下の通り。

＞商業機
引き渡し数　9％増の197機
売上高　18％増の168億7700万ドル
営業利益　22％減の12億600万ドル
営業利益率　7.1％＜前年同期は10.8％

＞航空宇宙
売上高　3％減の75億4400万ドル
営業利益　6％減の5億4600万ドル
営業利益率　7.2％＜前年同期比は7.5％

2015年の見通しは、コア1株当たり利益は7.70〜7.90ドルとし従来の8.20〜8.40ドルから下方修正。1株当たり利益も7.60〜7.80ドルと、従来の8.10〜8.30ドルから引き下げている。売上高につき945億〜965億ドルで維持。商業機の出荷台数も750〜755機、営業キャッシュフロー90億ドル超で据え置いた。株価は決算を受け素直に上昇、一時2.0％高をつけた。

（カバー写真：.freeside./Flickr）

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