Existing Home Sales Climb To The Highest Level Since 2007, Prices Hit Record.
全米リアルター協会(NAR)が発表した米6月中古住宅販売件数は年率549万件となり、市場予想の540万件を超えていった。前月の532万件(535万件から下方修正)を3.2%上回り、住宅ブームに沸いた2007年2月以来の高水準を達成。過去6ヵ月間では、4回目の増加を示す。前年比では9.6%増と、9ヵ月連続でプラス圏を維持した。
内訳をみると、一戸建てが前月比2.8%増の484万件と2ヵ月連続で増加した。複合住宅も6.6%増の65万件と、2ヵ月連続で横ばいを経て増加に転じた。
4大地域別では、2ヵ月連続で全ての地域で増加した。今回は北東部が4.4%増の72万件だったほか、テキサス州など石油生産地が多い南部も2.3%増の222万件、西部も2.5%増の124万件とそれぞれ前月に続き増えた。中西部は4.7%増の133万件と、5ヵ月連続で増加した。
在庫件数は、前月比0.9%増の230万件と5ヵ月連続で増加した。販売件数の伸びが在庫を上回ったため在庫相当は5.0ヵ月と、前月の5.1ヵ月から短期化している。金融危機以降で最も短期化したのは、2014年1月で4.3ヵ月だった。中央価格は前年比で6.5%上昇の23.64万ドル。前月比では3.3%上昇し5ヵ月連続で上向いた結果、2006年のピークを超え過去最高を記録した。売り出し平均期間は34日と前月の40日から短期化し、少なくとも2013年6月で最も短い。
買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 6%<前月を含め3ヵ月連続で7%、前年同月は8%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 2%<前月を含め7ヵ月連続で3%、前年同月は3%
・差し押さえとショートセールを合わせた不良債権物件 8%<前月を含め3ヵ月連続で10%、前年同月は11%
・新規購入者 30%<前月は32%、前年同月は28%
・現金での購入者 22%<前月を含め3ヵ月連続で24%、前年同月は32%
・住居用ではなく投資向け 12%<前月を含め4ヵ月連続で14%、前年同月は16%
新規購入者、5月からは低下も前年同月比では上昇。
(出所:NAR)
発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、結果を受け「1年以上におよぶ安定的な雇用の伸びや経済の改善を追い風に、家計が意欲を与え大幅増加を遂げた」との認識を寄せた。また、住宅ローン金利上昇にも言及。一段の上振れを警戒し「潜在顧客は購入を急いだ可能性を示す」とも指摘した。
なお6月の段階で、ユン氏は住宅バブル観測を否定した。理由として、以下の3つを挙げている。
1)住宅需要は最盛期の25%以下
2)新築住宅建設件数はピーク時の半分以下
3)住宅ローン残高はピーク時より10%低い
——金利上昇への懸念から駆け込み需要が支え、売り出し期間の縮小は需要の強さを裏打ちしています。一方で、価格上昇と在庫薄を背景に現金での購入や投資向けの購入が5月から低下しただけでなく前年比も下回りました。以前にウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が報じたように、金利上昇が一段と進めばローン負担が拡大し、新規購入者の押し上げ効果がはく落するリスクをはらみます。Fedの金融政策の舵取りが慎重を期すのも、住宅市場への配慮があってこそなのでしょう。
(カバー写真:Nick Bastian/Flickr)
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