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米6月個人消費・所得、9月利上げの選択肢を残す

by • August 3, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1572

June Consumer Spending Edges Up, Leaves A Way To September Lift-Off.

米6月個人消費支出は前月比0.2%増となり、市場予想と一致した。前月の0.7%増(0.9%増、2009年8月以来の高水準から下方修正)を下回る。ただし、4ヵ月連続で増加した。消費の内訳は、以下の通り。

・耐久財 1.3%減、4ヵ月ぶりに減少<前月は1.1%増
・非耐久財 0.4%増、2ヵ月連続で増加<前月は2.0%増
・サービス 0.4%増、増加基調を維持>前月は0.3%増

耐久財は、米6月新車販売台数が約10年ぶりの水準へ加速した5月から減速したため減少へ反転した。非耐久財は、ガソリン価格の上昇に煽られ増加。サービスは、気温上昇が服飾や冷房費用などを押し上げたとみられる。

実質の個人消費(ブルー)は下振れも、所得(紺)増加で今後に期待。

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(出所:BEA)

米6月個人所得は前月比0.4%増となり、市場予想の0.3%増を上回った。前月に並ぶ水準(0.5%増から下方修正)。可処分所得は0.5%増となり前月の0.4%増を超え、少なくとも年初来で最高。貯蓄率は所得が支出を超えて増加したため4.8%となり、前月の4.6%から上昇した。

所得の内訳は、以下の通り。

・賃金/所得 0.2%増、12ヵ月連続で増加<前月は0.4%増
・不動産収入 0.8%増、3ヵ月連続で増加>前月は0.5%増
・家賃収入 1.1%増、28ヵ月連続で増加<前月は1.1%増
・資産収入 0.9%増>前月は0.4%増
(配当が0.3%増と前月から増加、金利収入は金利上昇を背景に1.3%増、3ヵ月連続で増加)
・社会福祉 0.2%増、4ヵ月連続で増加<前月は0.3%増
・社会補助 0.3%増、7ヵ月連続で増加=前月は0.3%増

米6月個人消費支出(PCE)デフレーターは前月比0.2%上昇し、市場予想と一致した。前月の0.3%に届かなかったとはいえ、2ヵ月連続で上昇している。前年比は0.3%の上昇となり、前月の0.2%を超えた。コアPCEデフレーターは5ヵ月連続で前月比0.1%上昇し、市場予想にも並んだ。前年比は1.3%となり、1.2%から上方修正された前月に並ぶ。PCEデフレーターとコアPCEともに、米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標値「2%」からかい離した水準を維持。目標値割れは、そろって2012年5月以来となる。

バークレイズのマイケル・ゲイピン米主席エコノミストは、結果を受けて「PCEデフレーターおよびコアは前年同月比で年初来から改善した」と指摘。原油安の下落一服もあって今後緩やかな上昇トレンドに入るとし「PCEデフレーターは、年末にかけ1.1%まで回復する」と予想した。米4−6月期国内総生産(GDP)速報値で明らかになったように、個人消費・所得も順調で「個人消費は4−6月期に名目で5.2%増、インフレ調整済みで2.9%増と、1−3月期の1.8%増から加速した」。インフレ動向と合わせ、9月利上げに向け「またひとつ障害を乗り越えた」とまとめている。

——米6月個人消費支出・所得、インフレ動向は米景気の底堅さを裏打ちしました。米7月雇用統計がニューヨークの夏のように熱気を帯びれば、9月利上げへの道を開く可能性を残します。

(カバー写真:bark/Flickr)

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