Jim Chanos Has Not Been Short The Shanghai Index.
空売り王と言えば、キニコス・アソシエーツのジム・チェイノス氏。上海総合をはじめ中国株にあらためて下落圧力が掛かるなか、チェイノス氏は中国株ショートに挑んでいるのでしょうか?
ズバリ、同氏は上海A株の上場投資信託(ETF)ロングを採用しています。ビジネス・インサイダーによると、同氏は代わりに中国の景気減速に影響する産業あるいは資産クラスに注目。鋼業をはじめコモディティ、中国の貿易パートナーに目を光らせます。
中国では8月初旬に空売り規制を強化し、31日には中信証券(CITIC証券)の幹部4人のほか、中国経済誌や財経のジャーナリストが身柄を拘束されたことが分かりました。インサイダー取引の容疑に加え、市場支援策からの撤退という観測気球を飛ばしたためです。そういえば債券王のビル・グロス氏は6月の中国株急落の前に中国株ショートを推奨したものの、7月初めの段階で「中国株ショートに踏み切っていない」と否定していましたよね。アメリカの大物投資家は、中国当局の動静を意識しながら戦略を練っているに違いありません。
その他、チェイノス氏は中国を見極める上で4つのポイントを挙げます。
1)中国のGDPは経済上ではなく政治的なもの
市場関係者の8割から9割がGDPに注目するものの、意味はない。中国は投資型から消費型へシフトさせている段階にあるとはいえ、改革は進まず。2010年にチェイノス氏が投資を開始した当時の債券投資の割合は48%だったものの、現状で46%へ低下した程度。
2)問題は債務であり、株式ではない
中国の債務は、名目GDPの2倍あるいは3倍のペースで拡大中。中国の債務は足元でGDP比で280%のところ、6年後にはGDP比400%に膨らむリスクも。
3)貿易と人民元のフローが重要
中国が政策決定に踏み切った場合、1回では終わらない。人民元切り下げは輸出拡大への意志表示であると同時に、外貨準備で人民元を最も有利な水準に保つ方針。資本流出をにらみ、中国は市場介入を継続する見通しだ。同時に経済と政策決定を見極める上で輸送料や貿易フローの数字に注意すべき。
中国はさておき。2016年の米大統領選をめぐっては、共和党の勝利を予想せず。ヒラリー・クリントン前米国務長官にも、期待を寄せていません。チェイノス氏が熱い視線を注ぐのは、ジョー・バイデン米副大統領。まだ立候補していないものの、正式に出馬表明した場合は「支持する」と発言していました。ちなみに30日に開催されたMTVビデオ・ミュージック・アウォードではお騒がせアーティストのカニエ・ウェストが2020年米大統領選に立候補すると宣言!次の米大統領選では、トランプ候補に代わってメディアの台風の目となるのでしょうか。
(カバー写真:Bloomberg via The Information)
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