ISM And Markit Erase Concerns Over Service Activity.
米10月ISM非製造業景況指数は59.1となり、市場予想の56.5を上回った。9月の56.9を超え、2007年8月以来の高水準を達成した7月の60.3に接近している。中国発の世界景気減速懸念に屈し9月こそ下振れしたものの、中国人民銀行の追加利下げや欧州中央銀行(ECB)の追加緩和示唆の後で下げ幅を取り戻した。
内訳をみると、新規受注をはじめビジネス活動、雇用など主要項目がそろって上向いた。前月値を下回ったのは、在庫センチメント程度となる。詳細は、以下の通り。
・ビジネス活動 63.0>前月は60.2
・在庫センチメント 63.0、5ヵ月ぶり低水準<前月は65.0
・新規受注 62.0>前月は56.7、7か月ぶり低水準に並ぶ
・雇用 59.2、2005年8月以来で2番目の高水準>前月は58.3
・新規輸出受注 54.5>前月は52.5
・仕入れ価格 49.1>前月は48.4、少なくとも年初来で最低
BNPパリバのブリックリン・ドワイヤー米エコノミストは、結果を受け「15セクターのうち14業種が拡大を報告しており、9月の13業種を上回った」と指摘。減速が目立つ製造業活動とは一線を画し、力強い成長軌道を描いているとの認識を寄せている。特に雇用は12ヵ月平均の56.2を上回っただけでなく、2005年8月以来で2番目の高水準だったため「当方の米10月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)予想である15万人増を上回るリスクが強まった」とまとめた。
▽米10月マークイット・サービス業PMI確報値は、上方修正
米10月マークイット・サービス業PMI確報値54.8となり、市場予想の54.5を上回った。前月の55.6には届かず、9ヵ月ぶりの低水準を示す。ただし速報値の54.4からは、上方修正された。内訳をみると新規受注が4ヵ月ぶりの落ち込みをみせ、雇用は8ヵ月ぶりの低水準。世界的な需要鈍化を背景とした低インフレ環境を反映し、仕入れ価格は2010年11月以来の弱さをみせた前月と大きく変わらなかった。総合PMIは55.0となり、少なくとも1月以来の水準ヘ沈んだ速報値の54.5から上方修正されている。
サービス業PMI、速報値からは上向きを示す。
(出所:Markit)
発表元であるマークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「経済成長は10月も安定的だった様子を示したものの、年初来と比較すると弱い」と懸念を残す。特に雇用に注目し「サービス部門の企業は採用に神経質になってきた」と指摘。製造業と合わせ緩やかな雇用の伸びを表す統計結果が出たものの、「低インフレを抱え政策当局者は利上げに急ぐ必要はないだろう」とコメントし、11月の経済指標がカギを握ると結んだ。
(カバー写真:Chris Goldberg/Flickr)
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