Fed Fund Futures Push Second Rate-Hike To June, Not March
米株急落の衝撃は、FF先物市場に及んでいます。
S&P500は15日、ザラ場で2015年8月25日の安値を抜けてしまいました(終値では割り込まず)。原油安や中国株安の再燃に加え、市場予想以下の米経済指標で弱気モード全開になってしまいました。米12月小売売上高が前月比で減少しただけでなく2015年ベースでも前年比2.1%増と2009年以来の低水準にとどまり、米1月NY連銀製造業景況指数が悪化し、米12月鉱工業生産も予想より悪化する始末。おかげで、JPモルガンは2015年10−12月期成長率を1.0%増から0.1%増へ劇的に下方修正しています。バークレイズも、年始の1.1%から段階的に引き下げ本日は0.4%増から0.3%増へ修正。BNPパリバに至っては、従来の0.5%増から0%へ引き下げました。
S&P500、2015年8月の安値をザラ場でブレーク。
(出所:Stockcharts)
FF先物市場は敏感に反応し、3月の利上げ織り込み度は2015年末の50%付近から本日35%まで低下。代わりに台頭してきたのが6月で、54%へ上昇しています。一時は7月に針が振れたものの、NY連銀のダドリー総裁が「米経済見通しに変更はない」、「労働市場は力強く、年内に低下を継続する」との考えを表明したため、6月に揺り戻しました。同総裁は「足元の経済指標は弱含みにあり(softer side)・・2015年第10−12月期成長率は比較的弱まる可能性を差す」と発言したものの、市場は追加利上げ時期を下半期へずれ込むほどではないと判断したもようです。
ただ2016年に米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するセントルイス連銀のブラード総裁は、14日に足元の原油安は「歴史的にみて相当」で、安定化に時間が掛かると明言しています。3月の利上げに対しても、経済指標を見守る姿勢を打ち出しました。2015年の投票メンバーだったシカゴ連銀のエバンス総裁は、講演で「より浅いペース(even shallower pace)」が望ましいとのスタンスを表明。1月26−27日開催のFOMCで声明文に不安定な市場動向を反映させ、3月利上げ見送りサインを点灯させるのか。2015年9月FOMC声明文で「足元の世界経済および金融市場の動向は、米経済を幾分抑制する可能性を残し、短期的にインフレ下方圧力を与えうる」との文言を盛り込み利上げを見送っただけに、熱い視線が寄せられます。
(カバー写真:Randy Lemoine/Flickr)
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