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米2月小売売上高、予想ほど下振れせずとも過去分が下方修正

by • March 17, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1965

Retails Sales Disappoint, January Numbers Revised Down.

米2月小売売上高、米2月生産者物価指数、米1月企業在庫をおさらいしていきます。

米2月小売売上高は前月比0.1%減となり、市場予想の0.2%減ほど下げ幅を広げなかった。前月の0.4%減(0.2%増から下方修正)を超え、2ヵ月連続で減少。米2月新車販売台数が力強さを維持した割に、自動車を含め全体的に弱い。自動車を除いた場合は0.1%減と市場予想の0.2%減より下振れしなかったとはいえ、前月(0.4%増から0.1%減に下方修正)に続き、減少している。国内総生産(GDP)に反映されるコア小売売上高(食品サービス、自動車、燃料、建築材を除く)は0.03%増と、市場予想の0.2%増に届かず。さらに1月分が0.6%増から0.2%増へ下方修正された。

内訳をみると、主要13カテゴリー中で5項目増加。前月の4項目を上回った。家具や雑貨類のほか足元の原油安を受け継ぎガソリンなどが足を引っ張っている。一方で住宅市場の底堅さを背景に建築材が強含み、寒波の影響で冬物衣料の需要が回復し服飾も増加した。

(プラス項目)
・建築材→1.6%増>前月は0.4%減、6ヵ月平均は1.2%増
・スポーツ衣料→1.2%増>前月は2.2%減、6ヵ月平均は0.5%増
・外食→1.0%増>前月は1.1%減、6ヵ月平均は0.5%増
・服飾→0.9%増>前月は0.1%増、6ヵ月平均は0.1%増、
・健康→0.7%増>前月は1.1%減、6ヵ月平均は0.1%増

(マイナス項目)
・電気製品→0.1%減>前月は0.2%減、6ヵ月平均は0.4%減
・自動車→0.2%減=前月は0.2%減、6ヵ月平均は0.2%増
・食品・飲料→0.2%減<前月は0.5%増、6ヵ月平均は±0%
・一般小売→0.2%減>前月は0.5%減、6ヵ月平均は0.1%減(*百貨店は0.4%減>前月は1.6%減、6ヵ月平均は0.5%減)
・オンラインを含む非店舗→0.2%減<前月は1.6%増、6ヵ月平均は0.6%増
・家具→0.5%減>前月は0.6%減、6ヵ月平均は0.1%増
・雑貨類→1.1%減<前月は1.0%増、6ヵ月平均は0.4%減
・ガソリンスタンド→4.4%減<前月は3.3%減、6ヵ月平均は2.8%減

前年比は3.1%増、一時期の2%付近から改善歩調に。

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(作成:My Big Apple NY)

▽米2月生産者物価指数、市場予想ほど下振れせずとも弱含み

米2月生産者物価指数(PPI)は前月比0.2%低下し、市場予想に並んだ。前月の0.1%の上昇から、マイナスに反転。コアPPIも±0%と、市場予想の0.1%はもちろん前月の0.4%にも届かず、4ヵ月ぶりに低下している。PPIは前年同月比で±0%と、市場予想の0.1%の上昇に反する結果に。前月の0.2%低下から、14ヵ月ぶりに上昇に転じた。コアPPIは1.2%上昇し、市場予想に並び前月の0.6%から加速した。

内訳をみると、全体の6割を超えるサービスが±0%にとどまり、上昇を3ヵ月で止めた。サービスのうち3割を占める貿易が0.4%と低下し、前月の0.9%の上昇からマイナスに反転した。1割弱を占める輸送・倉庫も0.7%低下し、前月の0.4%の上昇からこちらも転換している。サービスのうち6割を占めるその他サービスのみ0.3%上昇し、4ヵ月連続で全体を支えた。食品は0.3%低下し、前月の1.0%から転じた。モノも0.6%低下し、3ヵ月連続で落ち込んだ。エネルギーは3.4%の低下となり、3ヵ月連続でマイナスだった。

▽米1月企業在庫、予想通りも売上高は減少継続

米1月企業在庫は前月比0.1%増となり、市場予想の±0%を上回った。前月の±0%(0.1%増から下方修正)を超え、3ヵ月ぶりに増加。自動車を除く場合は前月と同じく0.2%増となり、ヘッドラインを上回る。小売が0.3%増と増加基調をたどり、自動車が0.6%増とけん引しただけでなく一般雑貨も0.2%増と2ヵ月連続で増加した。卸売も0.3%増と、前月の±0%から改善している。一方で、ドル高や世界景気の減速を乗り越え製造業が0.4%減となり、前月の増加から転じマイナス基調へ戻した。

企業売上高は0.4%減となり、4ヵ月連続で減少。製造業が0.3%増と減少トレンドから脱したものの、小売が0.3%減、卸売も1.3%減と重石となった。結果、在庫相当は前月の1.39ヵ月から、今回は1.40ヵ月と2009年5月以来で最大を更新した。

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、米2月小売売上高の結果を受けて「1-3月期の実質個人消費の予想を前期比年率3.3%増から2.6%増」へ引き下げた。建築材の増加は住宅投資に追い風ながら「米1−3月期GDPの予想を従来のある2.4%増から1.9%増」へ下方修正している。米1月企業在庫は同予想にニュートラルとし、変更を加えなかった。

アトランタ地区連銀は、一連の経済指標を受け1-3月期GDPの予想を従来の2.2%増から1.9%増へ下方修正した。試算開始の1.1%増を上回った水準は保った。

――米2月小売売上高は前月分の下方修正を含め、個人消費のけん引力が力強さに欠けるリスクを点灯させました。16日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文および経済・金利見通しがタカ派寄りに振れる可能性は、後退したと言える(※執筆当時はFOMC前)でしょう。米2月生産者物価指数が川上でのインフレ圧力を示していないだけに、尚更です。

(カバー写真:Graeme Tozer/Flickr)

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