ISM Service Sector Sentiment Improves, Employment Recovers.
米ISM非製造業景況指数やマークイットが発表した景況感指数をおさらいしていきます。
米3月ISM非製造業景況指数は54.5と、市場予想の54.2を上回った。2014年2月以来の低水準を示した前月の53.4から改善し、3ヵ月ぶりの高水準。ISM製造業景況指数が6ヵ月ぶりに分岐点を回復した歩調に合わせ、サービス活動は明るい兆しを見せた。
内訳をみると、ビジネス活動をはじめ新規受注、仕入れ価格などが上向いた。雇用は前月に2014年2月以来となる分岐点割れに陥った後、50台を回復している。詳細は、以下の通り。
・ビジネス活動 59.8、5ヵ月ぶりの高水準>前月は57.8、6ヵ月平均は58.7
・新規受注 56.7>前月は55.5と直近で最低、6ヵ月平均は57.7
・雇用 50.3、分岐点を回復>前月は49.7で2014年2月以来の分岐点割れ、6ヵ月平均は53.8
・新規輸出受注 58.5、直近で最高>前月は53.5、6ヵ月平均は52.5
・在庫変化 52.5=前月は52.5、6ヵ月平均は52.8
・仕入れ価格 49.1、3ヵ月連続で分岐点割れ>前月は45.5で2009年7月以来の低水準、6ヵ月平均は48.6
BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受け「15業種のうち12業種が拡大を報告した」と指摘。ヘッドラインは改善したものの、前月の14業種から減少している。ただし「広範囲で改善がみられ、米3月雇用統計に沿ったもの」と結んだ。
▽米3月マークイット製造業PMI確報値、分岐点を回復も反発弱い
米3月マークイット・サービス業PMI確報値は51.2となり、速報値の51.0から上方修正された。市場予想の51.2は超え、債務上限引き上げ及び暫定予算交渉の行き詰まりで政府機関の閉鎖を余儀なくされて以来の分岐点割れを迎えた前月の49.7からも改善。とはいえ、統計が開始した2009年以来で2番目の低い水準にとどまる。総合PMIは51.3で、速報値の51.1から上方修正された。前月の50.0から上昇し、2013年10月以来の50割れを回避した。
クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受けて「3月にサービスPMIの雇用と雇用統計の非農業部門就労者数が力強さを維持したことは喜ばしい」と振り返る。ただし、製造業PMIと合わせ「米1-3月期国内総生産(GDP)は前期比年率0.7%増」との予想を維持。需要が2009年後半以来の水準まで低下しているほか、楽観度も金融危機後の景気後退以来の水準まで落ち込んでおり「国内から海外まであらゆる向かい風要因が立ちはだかる」と説いた。
ISMとマークイット、それぞれ上昇に反転。
――米3月ISM非製造業景況指数と米3月マークイット・サービス業PMIも、そろっていったんボトムアウトを確認しています。問題は雇用で、米3月雇用統計で明らかになった通り、巡航速度での労働市場の拡大を示しました。4―6月期に消費が花開き、2%成長を回復できるのか試されます。
(カバー写真:Alpha/Flickr)
Comments
米3月LMCI、09年以来初の3ヵ月連続低下に Next Post:
米2月貿易収支、予想以上に赤字膨らみQ1GDP押し下げへ