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米3月NFIB中小企業楽観度、前月に続き約2年ぶり低水準

by • April 13, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1575

NFIB Small Business Optimism Stays At 2-Year-Low.

米連邦準備制度理事会(FRB)の労働市場情勢指数に含まれる米3月NFIB中小企業楽観度指数は92.6となり、市場予想の93.5を下回った。前月の92.9にも届かず、前月に続き、2014年2月以来の低水準。3ヵ月連続で低下し、統計開始からの平均である98も下回る。米株相場が年初来リターンをプラスに反転させ原油先物も40ドル台を回復したものの、上半期での利上げ観測が圧迫したためかセンチメントは小幅ながら低下を続けた。

発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、結果を受け「中小企業のオーナーは米経済に対し非常に悲観的なままで、コストを増加させる規制の増加が一因」とのコメントを寄せた。カリフォルニア州やニューヨーク州で最低賃金を15ドルに引き上げる法案が可決したことを指摘しており、労働コストの拡大で企業が採用を遅らせる可能性に懸念を示す。

NFIB中小企業楽観度指数、ISMに遅れて下振れ。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、12項目中プラス圏にのせた項目は6項目で、前月の5項目から増加した。新たに「売上が拡大する」がプラス項目へ移っている。そのほか同項目では「設備投資を拡大した」、「賃金を引き上げる計画」が前月を上回った。マイナス圏では「黒字トレンドにある」が下げ幅を広げたものの、「経済がより良くなる」が下げ幅を縮小し2013年11月以来の低水準から改善した。以下は、項目ごとの変化。

「設備投資を拡大した」25%→前月の23%から上昇、6ヵ月平均は25%
「求人件数」25%→前月の28%から低下、6ヵ月平均は28%
「賃金を引き上げる計画」16%→前月の12%から上昇、6ヵ月平均は17%
「雇用を増加させる」9%→前月の10%から低下、6ヵ月平均は11%
「事業拡大に良いタイミング」6%→前月の8%から低下、6ヵ月平均は10%
「売上が拡大する」1%→前月の0%から低下、6ヵ月平均は3%

「在庫を拡大させる」−2%→前月の−1%から悪化、6ヵ月平均は−1%
「販売価格の上昇」−4%→前月の−4%と変わらず、6ヵ月平均は−1%
「在庫満足度」−5%→前月の−2%から悪化、6ヵ月平均は−4%
「信用状況が緩和する」−6%→前月の−7%から改善、6ヵ月平均は−6%
「黒字トレンドにある」−17%→前月の−21%から改善、6ヵ月平均は−15%
「経済がより良くなる」−22%→前月の−21%から悪化、6ヵ月平均は−19%

――NFIB楽観度指数は米株回復にも関わらず。リセッション後の平均値92.6を上回るトレンドに終止符を打ちました。最低賃金引き上げも重なり、GDPの46%を担う中小企業で雇用が下火になるリスクもくすぶります。米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ警戒も重なり、センチメントが力強く改善する兆しは見えません。

(カバー写真:Jacques Lebleu/Flickr)

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