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軍事力総合評価トップ20、予想通りの各国がランクイン

by • April 24, 2016 • Latest News, NY TipsComments Off15115

The World Military Strength Scorecard Top 20.

クレディ・スイスが発表した「グローバリゼーションの終焉か、さらなる多極化の世界か」とのレポートで、世界各国の軍事力総合評価が下されていました。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)とグローバル・ファイアーパワー(GF)を元にした結果は、以下の通り。総合点はクレディ・スイスを参照し、予算などの詳細はGFで揃え、ビジネス・インサイダーの報道もフォローしています。

20位 カナダ 総合点 0.10
予算:147億ドル
現役前線軍人数:9万2000人
戦車:181両
航空機:426機
攻撃用ヘリコプター:0機
潜水艦:4隻
航空母艦:0機

19位 インドネシア 総合点 0.12
予算:69億ドル
現役前線軍人数:47万6000人
戦車:468両
航空機:420機
攻撃用ヘリコプター:5機
潜水艦:2隻
航空母艦:0隻

18位 ドイツ 総合点 0.19
予算:363億ドル
現役前線軍人数:18万人
戦車:408両
航空機:676機
攻撃用ヘリコプター:44機
潜水艦:5隻
航空母艦:0隻

17位 ポーランド 総合点 0.23
予算:93.6億ドル
現役前線軍人数:12万人
戦車:1009両
航空機:467機
攻撃用ヘリコプター:29機
潜水艦:5隻
航空母艦:0隻

16位 タイ 総合点 0.28
予算:53.9億ドル
現役前線軍人数:31万人
戦車:722両
航空機:551機
攻撃用ヘリコプター:282機
潜水艦:0隻
航空母艦:1隻

15位 オーストラリア 総合点 0.30
予算:261億ドル
現役前線軍人数:6万人
戦車:59両
航空機:417機
攻撃用ヘリコプター:22機
潜水艦:6隻
航空母艦:2隻

14位 イスラエル 総合点 0.32
予算:170億ドル
現役前線軍人数:16万人
戦車:4170両
航空機:681機
攻撃用ヘリコプター:48機
潜水艦:6隻
航空母艦:0隻

13位 台湾 総合点 0.32
予算:107億ドル
現役前線軍人数:30万人
戦車:2005両
航空機:815機
攻撃用ヘリコプター:91機
潜水艦:4隻
航空母艦:0隻

12位 エジプト 総合点 0.34
予算:44億ドル
現役前線軍人数:47万人
戦車:4624両
航空機:1133機
攻撃用ヘリコプター:46機
潜水艦:8隻
航空母艦:0隻

11位 パキスタン 総合点 0.41
予算:70億ドル
現役前線軍人数:62万人
戦車:2924両
航空機:923機
攻撃用ヘリコプター:52機
潜水艦:5隻
航空母艦:0隻

トップ20位から11位で印象的だったのは、17位のポーランドでしょう。かつての占領国ドイツを超える装備・人員は、ロシアによるウクライナのクリミア併合による影響と考えられます。16位のタイは2014年5月のクーデタ—で、軍事政権が誕生しましたよね。13位の台湾は、中国の軍事的脅威を身近に感じながら攻撃ヘリコプター数で5位に位置します。パキスタンはその兵力だけでなく、向こう10年で第3位の保有国に躍り出る見通しとあって、インドの対応が気にかかります。

10位 トルコ 総合点 0.47
予算:181.9億ドル
現役前線軍人数:41万人
戦車:3778両
航空機:1007機
攻撃用ヘリコプター:64機
潜水艦:13隻
航空母艦:0隻

9位 英国 総合点 0.50
予算:550億ドル
現役前線軍人数:15万人
戦車:407両
航空機:879機
攻撃用ヘリコプター:348機
潜水艦:10隻
航空母艦:1隻

8位 イタリア 総合点 0.52
予算:340億ドル
現役前線軍人数:32万人
戦車:586両
航空機:785機
攻撃用ヘリコプター:59機
潜水艦:6隻
航空母艦:2隻

7位 韓国 総合点 0.52
予算:623億ドル
現役前線軍人数:62.5万人
戦車:2381両
航空機:1451機
攻撃用ヘリコプター:77機
潜水艦:15隻
航空母艦:1隻

6位 フランス 総合点 0.61
予算:350億ドル
現役前線軍人数:20.5万人
戦車:423両
航空機:1282機
攻撃用ヘリコプター:48機
潜水艦:10隻
航空母艦:4隻

10位のトルコは地中海に面しながら国土でシリアをはじめイラク、イランと接し、黒海を挟んでロシア、ウクライナなどに囲まれるだけに抜かりはありません。9位の英国は2010年から2018年にかけ兵力を20%削減する見通しながら、この規模はさすが。8位のイタリアは、航空母艦が評価されました。7位の韓国は北朝鮮を背後にいただき、軍人から航空機までご覧の数を揃えています。6位のフランスは、イタリアと同じく北アフリカを中心とした過激派対策もあって高度兵力を備えます。

5位 インド 総合点 0.69
予算:400億ドル
現役前線軍人数:132.5万人
戦車:6464両
航空機:2086機
攻撃用ヘリコプター:19機
潜水艦:14隻
航空母艦:2隻

4位 日本 総合点 0.72
予算:416億ドル
現役前線軍人数:25万人
戦車:678両
航空機:1590機
攻撃用ヘリコプター:119機
潜水艦:17隻
航空母艦:3隻

3位 中国 総合点 0.79
予算:1556億ドル
現役前線軍人数:234万人
戦車:9150両
航空機:2942機
攻撃用ヘリコプター:200機
潜水艦:68隻
航空母艦:1隻

2位 ロシア 総合点 0.80
予算:466億ドル
現役前線軍人数:76.6万人
戦車:1万5398両
航空機:3429機
攻撃用ヘリコプター:478機
潜水艦:60隻
航空母艦:1隻

5位のインドは米中に次いで現役前線軍人数で上位に食い込み、航空機や戦車でも米中露に次ぐ水準です。日本は、コンパクトながら潜水艦以外に航空母艦を揃え4位にランクイン。3位の中国は世界1位の人口を抱えるだけに現役前線軍人数でもトップで、戦車ではロシアに次いで2位、潜水艦では米国に下回る程度で2位でした。軍事力近代化を急ぐ上に南シナ海での軍事化を図り、アジア周辺諸国ヘの脅威と化しつつあります。2位のロシアは世界最大の戦車、航空機では米国に次いで2位、潜水艦は米中に続いて3位の規模と依然として軍事大国です。軍事費は2008年以降30%以上も拡大し、今後数年も拡大する見通しとあって、その地位は揺るぎそうもありません。

1位 米国 総合点 0.94
予算:6010億ドル
現役前線軍人数:140万人
戦車:8848両
航空機:1万3444機
攻撃用ヘリコプター:957機
潜水艦:75隻
航空母艦:19隻

1位はやはり、米国でした。防衛費はトップ10位の米国以下を足しても及ばず。例えば2013年では、ご覧の通りです。
defense-budget
(出所:National Priorities

今年の米大統領選挙を制する最高司令官は、米国の防衛にどのような決断を下すのか。オバマ米大統領の任期中も減少トレンドにありましたが、少なくとも共和党のトランプ候補やクルーズ候補が勝利する事態になれば一段と削減されるのでしょう。民主党のクリントン候補が就任するより、そのペースが加速する可能性は否定できません。いずれにしても防衛費削減の違いはあれど、どの候補が大統領に就任しても米国が「世界の警察」たる存在感を発揮するシナリオは描けず、Gゼロ時代が続く見通しです。

(カバー写真:DVIDSHUB/Flickr)

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