NAHB Housing Market Index Edges Lower In July.
米7月NAHB住宅市場指数は59 となり、市場予想並びに前月の60を下回った。米10年債利回りが過去最低を示すなど金利が低下したものの、追い風とならず。10年ぶりの最高に達した2015年9月の65からは遠ざかったままだ。
内訳をみると、一戸建て現況指数が前月の64から低下し63と、あらためて2015年4月以来の水準に下振れした。景気回復サイクルで最高だった2015年9月の70は、依然として遠い。一戸建て見通し指数は66と、2015年11月以来の高水準をつけた前月の69から低下。見込み客指数も2015年12月以来の水準へ上向いた前月の46を下回り、45となった。
全ての項目で低下、金利低下の恩恵はみられず。
4大地域別での住宅市場指数は、ヘッドラインに反し前月通り3地域で上昇。今回は石油生産州を含む南部が60と2015年10月以来の高水準だった前月の64から低下した。その他は上昇しており、IT産業が集まる西部は前月の69から70と、6ヵ月ぶりのレベルを示す。北東部も前月の39から42t、4ヵ月ぶりの高水準。中西部は前月の55から56へ上向いた。
発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のエド・ブレイディ会長は、結果を受け「住宅市場の回復に沿い、比較的狭いレンジながら高水準で推移している」と評価した。ただし、引き続き「人材や建設地の不足に加え、規制上の問題もあり一部の市場での鈍化を確認した」との懸念を寄せている。ロバート・ディエス主席エコノミストは「経済のファンダメンタルズは鈍いながら安定的な住宅市場の拡大途上にある」と指摘。雇用が増加し続け、住宅ローン金利が歴史的な低水準にあり、世帯形成率が上昇するなかで「月日が経つにつれてより多くの買い手が市場に流れ込んでくるだろう」と楽観的ないとおしを描く。
――米7月NAHB住宅市場指数はヘッドラインでは若干の低下にとどまりつつ、見込み客指数が低下していました。特に全米最大の住宅市場で減速が目立ち、原油先物lが上昇に転じながら恩恵が現れていない様子を示唆します。金利低下でも住宅価格が高止まりする状況では需要を喚起しづらいのでしょうか。米6月雇用統計の大幅増の割に、住宅市場見通しがさえないのは気掛かりです。
(カバー写真:Doug Kerr /Flickr)
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