Existing Home Sales And Median Prices Rise In June.
米6月中古住宅販売件数、米5月住宅価格指数をおさらいしていきます。
全米リアルター協会（NAR）が発表した米6月中古住宅販売件数は年率557万件と、市場予想の548万件を上回った。前月の551万件（553万件から下方修正）を1.1％上回り、4ヵ月連続で増加。2007年2月以来の高水準を遂げている。前年比では3.0％増となり、前月の6.0％増から加速させ6ヵ月連続でプラスを示した。
内訳をみると一戸建てが前月比0.8％増の492万件、複合住宅も3.2％増の65万件とそろって4ヵ月連続で増加した。一戸建てはヘッドラインと同じく2007年2月以来の500万件乗せを視野に入れ、複合住宅は2015年5月以来で最高となる。
4大地域別では、2地域で増加し前月の3地域を下回った。中西部が3.8％増の135万件と前月の減少を半減させ、IT産業が集まる西部は1.7％増の120万件と2ヵ月連続で増加した。石油生産地が集まる南部は±0％の226万件。北東部は1.3％減の76万件と、4ヵ月ぶりに減少した。
在庫件数は、前月比0.9％減の212万件と6ヵ月ぶりに減少した、直近で最高を示した前月の214万件から、減少。販売件数が増加し在庫件数が減少したため、在庫相当は2015年12月以来の水準だった前月の4.7ヵ月から4.6ヵ月へ短縮した。中央価格は前年比で4.8％上昇の24.77万ドルと、過去最高を記録。前月比では2.4％上昇し、4ヵ月連続で上向いた。売り出し平均期間は34日と前月の32日から延び、前年同月に並んだ。
買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 4％＜前月は5％、前年同月は6％
・ショートセール（担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅） 2％＞前月は直近で最低の1％、前年同月は2％
・差し押さえとショートセールを合わせた不良債権物件 6％、直近で最低＝前月は6％、前年同月は8％
・新規購入者 33％＞前月は30％と直近で最低、前年同月は30％
・現金での購入者 22％と直近で最低＝前月は22％、前年同月は22％
・住居用ではなく投資向け 11％、直近で最低＜ぜ前月は13％、前年同月は12％
中古住宅販売件数、一戸建てと複合そろって好調。
（作成：My Big Apple NY）
発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、結果を受け「需給が不均衡であるものの、住居を購入するための買い手が増え投資目的の購入者が減少した」と振り返る。順調に増加する雇用、住宅ローン金利の低下が間違いなく住宅購入のインセンティブを与えている」とも指摘。ただし「今後、住宅価格が上昇するなか過去最高値をつける株高のほか史上最低の金利、雇用の増加に合わせ販売件数が増加し続けられるかは不透明」と疑問符をつけた。
▽米5月住宅価格指数は予想以下、15年8月以来の低い伸び
米住宅金融公社（FHFA）が発表した米5月宅価格指数は前月比0.2％上昇し、市場予想の0.4％を下回った。前月の0.3％に届かず。ただし、17 ヵ月連続でプラスを示す。前年比は5.6％上昇し、4月の5.9％をはじめ1〜3月の6％台から鈍化を継続。国勢調査ベースの9地域別では5地域で上昇し、前月の6地域を下回った。
FHFAが公表する住宅価格指数は、米連邦住宅貸付機関監督局（OFHEO）傘下のFHFAの場合はプライム層向けの住宅価格がメインで、融資額が政府保証機関（GSE）の買取基準額を超えるジャンボ・ローンや、低所得者層向けのサブプライムを含んでいない。従ってS＆Pケース／シラー住宅価格指数とは対象が異なり、数字自体は現状より強めの数字が出ると言われている。こうした背景からFHFAは2011年6月分から、フレディマックやファニーメイなどGSE以外のローンを含んだ住宅価格指数を拡大版として、公表を開始した。
——米6月中古住宅販売件数は、過去最低の水準をつけた米10年債利回りの動きに比例して住宅ローン金利が低下したことが影響し増加をたどったもようです。米5月住宅価格指数は値上がりペースに漸く鈍化の兆しを見せ投資家にとっては頭打ちの懸念、かたや新規購入者にとっては嬉しい限り。MBA住宅ローン申請件数指数では力強い伸びは期待できないものの、在庫ひっ迫が緩和され価格もつれて調整されれば、住宅市場を支えられるでしょう。
（カバー写真：David Sawyer／Flickr）
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