Wasserman Schultz Resigning As A DNC Leader After Email Leak.
民主党全国大会は、無難に消化されるかと思いきや直前にサプライズが直撃しました。
ウィキリークスがスッパ抜いたeメール約2万通から、民主党全国委員会(DNC)をはじめ予備選でヒラリー・クリントン候補への明らかな偏重が確認されました。例えばサンダース候補に対し「彼は無神論者だが、南部のバプティスト教徒はユダヤ人や無神論者に対し線引きを図る可能性がある」と指摘していたのです。民主党陣営はeメール漏洩につき、ロシアの仕業と非難するものの、党大会で演説予定だったDNC委員長であるデビー・ワッサーマン・シュルツ氏は責任を取って辞任を発表しました。
民主党内で指名争いを展開したバーニー・サンダース上院議員(ヴァーモント州)は、「DNCがクリントン候補を支持していたのは誰の目にも明らかで、疑問の余地はない」とコメント。「新たな指導者が必要だ」と述べワッサーマン氏の辞任を促しつつ、6月に支持表明したクリントン候補への攻撃は避けています。6月にもロシアからのハッキングが問題となったばかりでこの体たらくでは、仕方ありません。
実際にロシアがハッカー攻撃に及んだかは別として、共和党のドナルド・トランプ候補を支持したくなる理由はトランプ候補の発言に散りばめられています。北大西洋条約機構(NATO)加盟国がロシアから攻撃されても防衛しない可能性をニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで言及していましたよね。同候補は確かにロシアと良好な関係性を持ちたいとの意思も示しており、ロシア側としてはトランプ候補の方が与しやすい可能性は否定できません。メラニア夫人の故郷であるスロベニアの輸出は2015年、欧州連合(EU)を除きロシアが1位で14.3%でた。
eメール問題で訴追を免れたクリントン陣営から、今度はeメール漏洩でさらにイメージが悪化し支持率に影響を与えるのか。最新の世論調査を元にした平均値ではクリントン候補が44.6%、トランプ候補が42.7%という状況です。
(出所:RealClearPolitics)
選挙予想で定評のある538.com創立者のネイト・シルバー氏は6月末時点で79%、共和党寄りのバロンズ誌ですらクリントン米大統領誕生の確率を71%と弾き出しますが、米大統領選はまだ始まったばかり。9月26日に予定する第1回討論会でどちらに軍配が上がるのか、注目です。
米大統領選、共和党VS民主党の討論会スケジュールは以下の通り。
9月26日(月) 米大統領候補、討論会
ニューヨーク州ヘンプステッド、ホフストラ大学
10月4日(火) 副大統領候補、討論会
バージニア州ファミリービル ロングウッド大学
10月9日(日) 米大統領候補、討論会
ミズーリ州セントルイス、ワシントン大学
10月19日(水) 米大統領候補、討論会
ネバダ州ラスベガス、ネバダ大学
(カバー写真:Steve Bott/Flickr)
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