Import Price Surges On Food And Beverages In July.
米7月輸入物価指数、米7月財政収支をおさらいしていきます。
米7月輸入物価指数は前月比0.1%上昇し、市場予想の0.4%の低下に反し上向いた。前月の0.6%(0.2%の上昇)と合わせ、5ヵ月連続でプラスを示す。原油先物が6月に50ドル台を回復後に弱気相場入りする展開をみせた結果、石油が3.6%低下し全体を押し下げている。燃料を除く輸入物価指数は0.5%上昇し、前月の0.3%の低下を打ち消した。以下は、項目別動向。食品が急伸した程度で、他は全て前月比横ばいあるいは低下した。
・食品 3.3%の上昇、直近で最高の伸び>前月は0.6%の低下
・産業財 ±0%<前月は3.3%の上昇、4ヵ月連続でプラス
・自動車 自動車 0.3%の低下で直近にて久々のマイナス<前月は±0%、
・消費財 0.1%の低下、2ヵ月連続でマイナス>前月は0.2%の低下
・資本財 0.1%の低下、2ヵ月連続でマイナス>前月は0.2%の低下
輸入物価は前年比では3.7%低下し、市場予想の4.3%の低下より下げ幅を縮小した。前月の4.7%の低下(4.8%の低下から上方修正)を上回り、一段とゆるやかなペースな低下にとどまる。ただ、2014年8月に突入した低下トレンドは維持した。
バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受けて「食品・飲料が急伸したほか、全般的にドル高効果の剥落を確認できた」と振り返る。その上で、インフレが徐々に上向くと予想し、「消費者物価指数(CPI)コアは今年末に前年比2.4%へ向かう」と見込んだ。なお米6月CPIの前年同月比は、2.3%となる。
――ヘッドラインはインフレの強含みを示唆した半面、牽引役は食品・飲料でその他は引き続きさえません。ドル高効果が剥落したとはいえ原油先物の上昇が一服しており、エネルギーという片輪が低迷すれば全体を引き上げる勢いに乏しくなりかねません。少なくとも輸入物価動向は、追加利上げを保証する数字とは言い切れないでしょう。
▽米7月財政黒字は予想以下、歳入が増加も歳出が減少
米7月財政収支は1128.15億ドルの赤字となり、市場予想の1150億ドルより赤字幅を縮小した。前年同月の1491.82億ドルの赤字からは、24.4%減少。歳入が6.9%減の2099.98億ドルだったところ、歳出が13.8%減の3228.13億ドルとなり、予想以下の赤字にとどまった。
年度初来(2015年10月~2016年7月)までの財政赤字は前年同期比10.3%増の5136.62億ドルと、5ヵ月連続で増加を示す。CBOの予想では、2016年度(2015年10月~2016年9月)の財政赤字は5440億ドル。2015年度の財政赤字は9%減の4390億ドルと2007年以来で最低だったが、7年ぶりに増加する見通しだ。2015年12月に企業向け優遇税制法案が通過したほか、2015年11月に合意した2017年度までの予算案で強制削減を上回る支出を承認し、裁量支出も2016年度に500億ドル、2017年度に300億ドル増額することを盛り込んだため、赤字拡大が見込まれている。
――米7月財政収支は、裁量歳出の増額もあって事前予想通り7年ぶりに赤字が拡大する見通しです。赤字が増加するものの米成長率を支えるエンジンでもあり、2016~17年度は特に民主党と共和党の米大統領候補ともにインフラ投資での成長支援策を公約に掲げるなかでは、来年度から赤字は再び増加トレンドに突き進むでしょう。
(カバー写真:sodaro,k/Flickr)
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