Millennials Go Mild, Instead Of Wild.
日本では若者の間で車離れ、飲酒離れ、恋人いらずが話題になって久しいですよね。自動車メーカーをはじめ関連産業が問題視し、事態打開を模索していることでしょう。
しかし、こうした事態は日本だけではありません。
消費者動向調査会社テイラー・ネルソン・ソフレスによると、18〜30歳のミレニアル層(筆者注:場合によっては18〜34歳)の動画ストリーミング時間は1日当たり2.7時間と、その上にあたるジェネレーションX(31〜45歳)の1.8時間を上回っていました。携帯端末に費やす時間も3.1時間と、こちらもジェネレーションXの1.7時間の倍近くに及びます。
1日当たりに費やす時間、ベビーブーマーズがTVに向かう時間が3.4時間に対しミレニアルズは携帯端末が3.1時間。
(作成:TNSよりMy Big Apple NY作成)
青少年の間で大酒飲みをした経験のある割合も、低下の一途をたどります。8年生は13〜14歳、10年生は15〜16歳、12年生は17〜18歳ですが、全ての年齢層で過去最低を更新。かつてはアルコールが大人の象徴とされ憧れた子供がこっそり飲酒していたものですが、すっかり興味を失いつつあります。健康面、学業の面からは喜ばしい限りですね。
2014年時点で8年生は4.1%、10年生は12.6%、12年生は19.2%まで低下。
性への関心も、ベビーブーマーほどではありません。ワシントン・ポスト紙が紹介したJean Twengeの調査ではミレニアル層で経験者数は平均8人となり、ベビーブーマー層の11人から減少を続けています。ちなみに相模ゴム工業の調査によると、日本では20代男性で7.4人に対し女性で5.6人、30代では男性が11.0人に対し女性は6.8人という結果でした。
アメリカ疾病予防管理センターの調査でも、高校時代に初体験を済ませた割合は1991年の54.1%から2015年に41.2%へ低下。4人以上の経験者を持つ割合も1991年の18.7%から11.5%へ落ち込んでいます。
理由と言えば、皆様ご案内の通りです。携帯端末で気軽に娯楽を満喫できるため、わざわざ外に出る必要がなくなったことが大きいのでしょう。見たい時に番組が視聴できるネットフリックスをはじめとした動画ストリーミング・サイトが充実し、お腹が空いたらシームレスでお気に入りのレストランで出前が取れ、ネットで互いにつながりながら性的な欲求もクリアできますからね。いわゆるカウチポテト族の復活と言うべきか。
何より低成長時代に入り日本と同じく所得の増加が見込みづらい状況では、外出してお金を使う気も薄れるというもの。また「デートや飲酒は履歴書に書けないし、そんな時間があれば自分の将来につながる別のことをしたい」と至極クールな意見すら聞かれました。不透明性時代を迎え、未来をしっかり見据えた意見でもあり、アメリカでもある意味さとり人口が増加中なのかもしれません。いずれにしても、若い層がワイルドよりマイルドになってきたのは米国でも同じでした。
(カバー写真:Merlijn Hoek/Flickr)
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