Dallas Manufacturing Index Negative For 20 Months.
米8月ダラス連銀製造業景況指数はマイナス6.2となり、市場予想のマイナス3.9より下げ幅を拡大した。前月のマイナス1.3より悪化。2015年1月以来、20ヵ月連続で分岐点割れを維持している。原油先物が一時40ドル割れを試すまで値下がりした後は持ち直すものの、景況指数には響かなかった。なおダラス連銀製造業景況指数は1月に2009年4月以来で最低となる前月のマイナス34.6 まで沈んだ。
項目別では新規受注が4ヵ月ぶりに分岐点を回復したほか出荷、稼働率、賃金、仕入れ価格が分岐点を維持するなか前月から上昇した。ただし雇用をはじめ平均労働時間がマイナス幅を広げ、設備投資も分岐点割れに落ち込み足を引っ張った。詳細は、以下の通り。
・生産 4.5、4ヵ月ぶりの高水準>前月は0.4、6ヵ月平均はマイナス1.0
・稼働率 0.9、4ヵ月ぶり高水準>前月は0.3と3ヵ月ぶりに分岐点を回復、6ヵ月平均はマイナス1.3
・新規受注 5.3、4ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス8.0、6ヵ月平均はマイナス5.1
・出荷 9.9、直近で最高>前月は0.1と3ヵ月ぶりに分岐点を回復、6ヵ月平均はマイナス0.5
・受注伸び率 2.1、4ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス9.7、6ヵ月平均はマイナス8.3
・設備投資 マイナス5.7<前月は4.8と3ヵ月ぶりに分岐点を回復、6ヵ月平均はマイナス1.5
・在庫 マイナス3.8、2ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス10.4、6ヵ月平均はマイナス5.5
・雇用 マイナス5.0、10ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス2.6、6ヵ月平均はマイナス6.6
・平均労働時間 マイナス4.5、分岐点割れを維持<前月はマイナス0.2、6ヵ月平均はマイナス6.0
・賃金 13.7>前月は10.5、6ヵ月平均は16.5
・仕入れ価格 14.1、直近で最高>前月は7.6、6ヵ月平均は8.7
・販売価格 マイナス1.3、20ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス5.7、6ヵ月平均はマイナス5.1
ダラスの他、8月は下振れが優勢。
6ヵ月見通しは7.0と、2015年7月以来の高水準を示した前月の18.4を下回った。項目別でも下振れが目立ち、生産をはじめ新規受注、稼働率、受注伸び率、出荷、設備投資などが軒並み低下。在庫は分岐点割れに陥っている。ただし現況指数で弱かった雇用と平均労働時間は上昇した。
――製造業景況指数が一通り公表されたので、星取表を確認していきましょう。
・NY連銀製造業景況指数
マイナス4.21、分岐点割れへ戻す<前月は6.01
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
2<前月は4.7、3ヵ月ぶりに分岐点乗せ
・リッチモンド連銀製造業景況指数
マイナス11.1<前月はマイナス18.3
・カンザスシティ連銀製造業景況指数
マイナス4<前月は2と16ヵ月ぶりに分岐点を回復
・マークイット製造業PMI
52.1>前月は51.4、2015年9月以来の高水準
原油先物が40~50ドル台で安定的に推移していなかで、石油生産地が集まる地区連銀とそうでない地区連銀もそろって前月から鈍化し5地区連銀中4地区連銀で低下しました。マークイット製造業PMIのみ、改善。米8月ISM製造業連銀景況指数は、下振れの気配が漂います。特に雇用をめぐっては、NYをはじめフィリー、カンザスシティ、ダラスと5地区連銀中4地区連銀で分岐点割れでした。米8月雇用統計では、製造業と鉱業で弱い数字となりそうです。
(カバー写真:david.nahas/Flickr)
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