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米8月ADP全国雇用者数、巡航速度で増加

by • September 1, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1812

Private Payrolls Increase At Steady Pace In July.

米8月ADP全国雇用者数は前月比17.7万人増となり、市場予想の17.5 万人増を超えた。前月の19.4万人増(17.6万人増から上方修正)を下回り、2015年の平均値20.7万人増には届いていない。2010年2月以来の増加トレンドは維持した。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。

ADP全国雇用者数、2011年以降の平均値以下が続く。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳は、以下の通り。

▽企業規模別
中小企業 10.9万人増<前月は12.4万人増、6ヵ月平均は12.5万人増
大企業 7.0万人増>前月は5.6万人増、6ヵ月平均は5.0万人増

▽業種別
サービス業 18.3万人増<前月は19.9万人増、6ヵ月平均は18.5万人増
(米7月ISM製造業景況指数の雇用は51.4と、前月の52.7から低下)
・専門/ビジネス・サービス(派遣を含む) 5.3万人増<前月は7.6万人増、6ヵ月平均は5.9万人増
・貿易/輸送/公益 2.6万人増<前月は3.1万人増、6ヵ月平均は3.1万人増
・金融 1.5万人増>前月は1.3万人増、6ヵ月平均は1.3万人増

財生産業 0.6万人減、5ヵ月連続で減少>前月は0.6万人減、6ヵ月平均は0.8万人減
(米7月ISM製造業景況指数の雇用は49.4と、前月の50.4を下回り再び分岐点割れ)
・建設 0.2万人減、3ヵ月連続で減少>前月は0.5万人減、6ヵ月平均は0.5万人増
・製造業 ±0万人>前月は0.5万人増と6ヵ月ぶりに増加、6ヵ月平均は0.4万人減

ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、「労働市場は好調に増加を続けている」と評価した。雇用創出ペースは力強く、セクター、企業規模問わず拡大しており「完全雇用は近い」と結ぶ。

▽米8月シカゴPMI、原油価格安定も鈍化

米8月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は51.5と、市場予想の54以下に終わった。前月の55.8に届かず、分岐点を回復した6月からの3ヵ月間で最も低い伸びにとどまる。原油先物が40~50ドル台で安定的に推移するものの、2014年12月以来で最高を遂げた6月の56.8でいったん頭打ちを示す。内訳をみると、新規受注が前月の59.3から53.9、生産も前月の54.6から52.5、雇用のみ前月の52.2から53.7へ上昇した。

――米8月ADP全国雇用者数は巡航速度を維持し、米8月雇用統計・NFPはブルームバーグのエコノミスト予想平均18万人増に近い数字となりました。こちらで指摘させて頂いたように過去3年間における8月の雇用統計・NFP平均値は良好なだけに、9月利上げに弾みをつける可能性を残します。一方で2ヵ月続いた20万人超えの反動が懸念され、各連銀が発表した製造業景況指数の軒並み雇用は弱く、さらに完全雇用が近づいているとなれば、大幅増を達成できるかは疑問が残ります。

(カバー写真:Bromford/Flickr)

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