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米10月ダラス連銀製造業景況指数、予想に反し分岐点割れを維持

by • November 1, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1400

 

Dallas Fed Manufacturing Index Unexpectedly Stays Negative.

米10月ダラス連銀製造業景況指数、米10月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)をおさらいしていきます。

米10月ダラス連銀製造業景況指数はマイナス1.5となり、市場予想の2より弱い結果となった。前月のマイナス3.7からは下げ幅を縮小したとはいえ2015年1月以来、22ヵ月連続で分岐点割れを維持。原油先物が40ドル後半から50ドル台で安定推移するものの、石油生産地が集まるダラス連銀のセンチメントはなかなか分岐点を回復できずにいる。石油リグ稼働数は10月28日週に6月以来の増加トレンドに終止符を打ったが、資本財大手キャタピラーなどの決算・見通しが芳しくないように製造業や鉱業を取り巻く環境は引き続き芳しくない。なおダラス連銀製造業景況指数は1月、2009年4月以来で最低となる前月のマイナス34.6 まで沈んだ。

項目別では、まちまち。生産や稼働率、雇用が分岐点を維持したものの、前月値を下回った。詳細は、以下の通り。

・生産 6.7、3ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は16.7と2014年9月以来の高水準、6ヵ月平均は1.4
・稼働率 0.8、3ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は13.5で201年10月以来の高水準、6ヵ月平均はマイナスマイナス0.8
・新規受注 マイナス3.5、2ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス2.9、6ヵ月平均はマイナス6.4

・出荷 1.9、2ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は20.1で2014年7月以来の高水準、6ヵ月平均はマイナス2.0
・受注伸び率 マイナス5.1、2ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス5.8、6ヵ月平均はマイナス8.6
・設備投資 8.7、2ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は3.1、6ヵ月平均はマイナス0.4
・在庫 マイナス5.5、4ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス7.7、6ヵ月平均はマイナス6.0

・雇用 0.2、2ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は2.3、6ヵ月平均はマイナス3.9
・平均労働時間 マイナス1.8<前月は3.7と9ヵ月ぶりに分岐点乗せ、6ヵ月平均はマイナス4.6
・賃金 21.0、3ヵ月ぶりの高水準>前月は13.7、6ヵ月平均は17.6

・仕入れ価格 13.7>前月は13.3、6ヵ月平均は12.3
・販売価格 1.2、22ヵ月ぶりに分岐点乗せ>マイナス0.9、6ヵ月平均はマイナス2.5

6ヵ月見通しは4.8と、前月の9.3を下回った。項目別ではヘッドラインに反し生産や稼働率、出荷、賃金、仕入れ価格が上昇。一方で雇用のほか、平均労働時間、在庫が足を引っ張った。

――製造業景況指数が一通り公表されたので、星取表を確認していきましょう。

・NY連銀製造業景況指数
マイナス6.8<前月はマイナス1.99

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
9.7<前月は12.8

・リッチモンド連銀製造業景況指数
マイナス4>前月はマイナス8

・カンザスシティ連銀製造業景況指数
6=前月は6

・マークイット製造業PMI
54.8>前月は52.3

製造業景況指数、5地区連銀のうち2行のみ分岐点乗せ

michigan
(出所:My Big Apple NY)

▽米10月シカゴPMI、5ヵ月ぶり低水準

米10月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は50.6 と、市場予想の54を下回った。前月の54.2を下回り、5ヵ月ぶりの低水準。原油先物が50ドル付近で安定的に推移するものの、2014年12月以来で最高を遂げた6月の56.8でいったん頭打ちを示す。内訳をみると、生産が1月以来の高水準からも低下したほか、新規受注も弱含んだ。

――全体的に製造業はゼネラル・エレクトリック(GE)などの業績見通しが示すように、業況に霧が晴れたとは言いづらい。石油メジャーでもシェブロンこそ4四半期ぶりの黒字へ転換したものの、エクソン・モービルは8四半期連続で減益だった上に売上が予想以下と方向感は見えません。製造業センチメントが上向きを試すなか、ドル高が再燃しつつあり一難去ってまた一難。悩ましい状況が続きます。

(カバー写真:Adam Simmons/Flickr)

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