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米11月ISM非製造業景況指数、大統領選明けに約1年ぶりの高水準

by • December 6, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1662

ISM Service Index Posts Highest In A Year After The Election.

米ISM非製造業景況指数やマークイットが発表した11月の景況感指数、米11月労働市場情勢指数をおさらいしていきます。

米11月ISM非製造業景況指数は57.2となり、市場予想の55.5を上回った。前月の54.8も超え、2015年10月以来の高水準を達成している。米11月ISM製造業景況指数と足並みをそろえ好転しており、米大統領選後は米株が過去最高値を更新するなど資産効果の高まりによる個人消費拡大への期待も影響したようだ。

内訳をみるとビジネス活動や雇用、新規輸出受注の上向きが目立つ。一方で新規受注や在庫、仕入れ価格は低下した。詳細は、以下の通り。

・ビジネス活動 61.7、2015年10月以来の高水準>前月は57.7、6ヵ月平均は55.4
・新規受注 57.0<前月は57.7、6ヵ月平均は57.7
・雇用 58.2、2015年10月以来の高水準>前月は53.1、6ヵ月平均は53.9

・新規輸出受注 57.0>前月は55.5、6ヵ月平均は54.0
・在庫変化 51.5<前月は52.0、6ヵ月平均は52.1
・仕入れ価格 56.3<前月は56.5、6ヵ月平均は54.4

▽米11月マークイット非製造業PMI確報値、速報値から下方修正し前月以下

米11月マークイット非製造業PMI確報値は54.6と、市場予想の54.9並びに速報値の54.7にもわずかに及ばなかった。前月の54.8にも、届いていない。製造業と合わせた総合指数は、速報値や前月値と変わらず54.9だった。

クリス・ウィリアムソン主席ビジネス・エコノミストは、結果を受け「製造業とサービス業は共に米経済が力強く成長する可能性を示す」と評価した。その上で、米10~12月期国内総生産(GDP)は「前期比年率で2.5%増」と予想。12月利上げは確定的としただけでなく、「2017年の利上げペースは事前予想より加速する場合もある」と結んだ。

ISMは上昇、マークイットは小幅低下も雇用は共に上昇。
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(作成:My Big Apple NY)

▽米11月LMCI、3ヵ月連続でプラス

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した米11月労働市場情勢指数(LMCI)は1.5ポイント上昇し、市場予想の0.2ポイントより強い結果となった。前月の1.4(マイナス0.7から上方修正)も超え、3ヵ月連続で上昇している。米11月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の改善に合わせ、19項目で弾き出されるLMCIは再び上向いた。年初来では、5回目のプラスを示す。5月まではサブプライム危機が火を噴く直前に低下トレンドへ突入した2007年5月から2009年6月までのサイクル以来で最長のマイナスに陥っていた。

景気後退に陥った2007年12月から2009年6月まで418ポイント低下した後、回復サイクルに入ってから353ポイント取り戻した。景気が改善していく過程での平均上昇幅は約4ポイントであることを踏まえれば、16ヵ月以内に低下幅を相殺する見通しだ。ただし、足元で低下が続くだけに景気後退に陥った後の穴埋めに時間が掛かる可能性は否定できない。

LMCI、5月以降は8月を除き上昇が続く。

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(作成:My Big Apple NY)

――米11月ISM非製造業景況指数が2015年8月以来で最高だった半面、米11月マークイット非製造業PMI確報値は小幅低下とまちまちの結果となりました。ただし、雇用はISMとマークイットそろって上昇し米11月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の改善と整合的。ISMでは18業種中14業種が拡大を報告、前月の13業種を上回っており、ホリデー商戦を追い風にサービス活動は短期的に経済を押し上げる見通しです。米11月LMCIにも、明るい兆候が現れFedが年2回の利上げ示唆を変えることはないでしょう。

(カバー写真:USDA/Flickr)

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