2016 Was The Year Of Surprises, What Will Happen In 2017?
2016年も、大変お世話になりました。
昨年末、申年を前に「変革」を迎える可能性をサクッと書いておりましたが、まさかBREXITとトランプ候補の勝利という結末を迎えるとは・・。
そのほか2016年に何があったのか、この世界地図をご覧下さい。画像を開いた後で右横のXをクリック頂けば拡大します。
(出所:Maps Of World)
今年も酉年がどうなるのか探ってみましょう。
2017年は丁酉(ひのととり)の年。丁という字には「火」、酉には「金」を指し、火には金を溶かす性質があるため陰陽五行では「相克」の関係と言えます。丁には「甲乙丙丁の4番目で、酉は「果実が成熟の極限に達した状態」を意味するため丁が酉を呑み込むのであれば、隆盛期を超えて下降に転じる可能性を暗示しているかのようです。
例えば米国は、2009年6月に終わった景気後退から回復サイクルに突入、7年6ヵ月と歴史的にみれば4番目の長期拡大期にあります。最長は1990年3月から2001年2月の10年11ヵ月、1961年3月から1969年11月の8年8ヵ月、1982年12月から1990年8月の8年です。トランプノミクスが成長加速を促す期待が募る一方、政権移行がスムーズに進むかは不透明。また中国の動向や北朝鮮、イタリアの銀行問題、ISをはじめ中東などリスク要因が点在しており2017年も波乱に満ちた年にならないとも限りません。
何より、7が末尾の丁の年は過去に大きな衝撃が世界を襲っていました。1987年のブラック・フライデーやら1997年のアジア通貨危機、2007年にはサブプライム問題が牙を剥き金融危機の渦に巻き込まれたのはご周知の通りです。ただし1967年は中国が水爆実験を成功させ米国がベトナム戦争で枯れ葉剤を初めて使用する暗いニュースの陰で、欧州共同体(EC)や東南アジア諸国連合(ASEAN)が創立しています。様々なトラブルに直面しつつ、混乱を収めるような対応を生み出した年とも言えそうです。
では、米金融機関はどう見ているのでしょうか?
トランプ・3G政権の一角を担うゴールドマン・サックスの予想は以下の通り。
1.リターンは小幅にとどまる(Expected returns: Only slightly higher.)
2.米国の財政は成長促進型に(US fiscal policy: A pro-growth agenda.)
3.米国の貿易政策は懸念は過剰(US trade policy: Concerns are likely overdone.)
4.エマージング諸国のリスク、トランプ・タントラム(大統領選挙後の金利上昇)は一時的(EM risk: ‘Trump tantrum’ is temporary.)5.トランプ次期大統領と貿易、人民元にヘッジせよ(Trump and trade: Hedge with RMB.)
6.金融政策は、信用の創造に集中へ(Monetary policy: Focusing the toolkit on credit creation.)
7.業績リセッションに変化の兆し”Corporate revenue growth recession: Signs of inflection.”
8.先進国でインフレ上昇(Inflation: Moving higher across DM.)
9.次の信用サイクルは一段と穏やか(The next credit cycle: Kinder and gentler.)
10.イエレン・コール2.0に、不測のノックイン(The ‘Yellen Call’ 2.0: Now with contingent knock-in.)
10は財政刺激による利上げ回数増加のリスクを挙げています。米連邦公開市場委員会(FOMC)は12月に2回から3回へ引き上げましたが、財政出動によっては4回もあり得ると指摘していました。12月FOMC後の記者会見での様子をみるとイエレンFRB議長がハト派からタカ派へ転じる余地を残したと解釈でき、あながち突飛とも言えませんよね。ちなみにモルガン・スタンレーは2017年の米利上げを2回、米成長率は2%、また日本株をトップリストに予想しています。
サクソバンクは、「奇抜な予想10」として以下を挙げました。
1.中国GDPは8%超え
2.日銀は10年債イールドカーブ・コントロールの誘導水準を0%程度から1.5%へ引き上げ
3.高利回り社債のデフォルト率は25%超え
4.BERXITからBREMAIN、英国はEUから離脱せず
5.銅先物価格は48%も急落
6.ビットコインが急伸
7.米国の医療保険制度改革(オバマケア)撤廃で混乱
8.トランプ新政権誕生も、メキシコ・ペソは対加ドルで上昇
9.イタリアの銀行株がベストパフォーマーに
10.EUはユーロ共同債発行で成長刺激
いかがでしたか?備えあれば憂いなし。リスク管理に気を配り、新しい年に対応していきましょう。どうぞ良いお年をお過ごし下さい。2017年も、宜しくお願い致します。
(カバー写真:Always Shooting/Flickr)
Comments
米12月消費者信頼感指数、2001年8月以来の水準へ急加速し有終の美 Next Post:
2017年、ウィーン氏のビックリ10大予想は日本にポジティブ