Michigan Consumer Sentiment Edges Down From 13-Year High.
米2 月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は95.7と、市場予想の98.0を下回った。2004年1月以来の高水準を達成した前月の98.5からも、小幅に低下している。内訳をみると、現況指数が111.2と前月の111.3から小幅低下し、2005年7月以来の水準へ上振れした2016年12月からも後退している。見通し指数は2004年1月以来の高水準を遂げた前月の90.3から低下し、85.7だった。調査期間中は医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃が意識された半面、税制改革が遅れる可能性が伝わっていた。
原油先物が石油輸出国会合(OPEC)と非加盟国の間で減産合意を背景に2015年7月以来の高値付近で推移するなか、1年先インフレ見通しは前月の2.6%から2.8%へ上昇し、2016年4月以来の高水準を示した。5~10年先インフレ見通しは前月の2.6%から2.5%へ低下も、過去最低だった2016年12月の2.3%を上回る水準を維持した。
ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は今回の結果を受け「見通し指数が下振れしたとはいえ、信頼感指数は過去10年間で6番目に高い水準」と振り返る。もっとも、引き続き共和党寄りと民主党寄りで立場は正反対で「回答者の30%トランプ政権の経済政策に期待を寄せる半面、29%は財政赤字拡大や財政の崖問題に言及し真っ二つに分かれた」という。さらに共和党支持派の見通し指数は過去最高に近いものの、民主党支持派は過去最低に接近しており「個人消費には非対称的リスクが横たわる」と結んだ。なお、2016年12月こそ2017年の個人消費見通しを従来の2.5%増から引き上げ「2.7%増」としたが、1月に続き今回も示していない。
ミシガン大学消費者信頼感、約13年ぶり高水準から鈍化。
・1年先の家計見通し指数 121、6ヵ月ぶり低水準<前月は130
向上する 34、6ヵ月ぶり低水準<前月は41
変わらず 47>前月は46
悪化する 13、直近で最高>前月は11
・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数は87、直近で最高>前月は80
所得の伸びが物価を上回る 25、3ヵ月ぶり高水準>前月は20
所得の伸び率と物価が同じ 35<前月は39と3ヵ月ぶりの高水準
所得の伸びが物価を下回る 38<前月は40
・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 51.1%<前月は53.0%
・1年先のビジネス見通し指数 130、直近で最高>前月は125
向上する 42<前月は44と直近で最高
変わらず 26、直近で最低<前月は34
悪化する 29、直近で最高>前月は19と4ヵ月ぶり低水準
・米国は向こう1年先も良好な状況を継続する 112<前月は121と直近で最高
良好 50<前月は53と直近で最高
不透明 5<前月は6
困難 38、4ヵ月ぶり高水準>前月は32と直近で最低
・1年先の失業率見通し指数 108<前月は111と直近で最高(低下を見込む場合に上昇)
低下する 33、直近で最高=前月は33
変わらず 41、直近で最低<前月は43
上昇する 25>前月は22
・1年先の金利見通し指数 32、直近で最低<前月は34
低下する 6、3ヵ月ぶり低水準<前月は8
変わらず 19>前月は17
上昇する 74=前月は74
・1年先のガソリン価格 15.8、4ヵ月ぶり高水準>前月は15.2(値上がりを見込む場合に指数は上昇)
下落する 6>前月は5
変わらず 39<前月は42
上昇する 54、4ヵ月ぶりの高水準>前月は53
・自動車購入指数 145<前月は147と6ヵ月ぶりの高水準
買い時 70<前月は71と6ヵ月ぶりの高水準
分からない 5=前月は5
買い時ではない 25>前月は24と6ヵ月ぶりの低水準
・住宅購入指数 149<前月は156と5ヵ月ぶりの高水準
買い時 74<前月は77と直近で最高
分からない 1、3ヵ月ぶり低水準<前月は2
買い時ではない 25>前月は21
・主要機器 160<前月は165と直近で最高
買い時 77、4ヵ月ぶり低水準<前月は80
分からない 6>前月は5
買い時ではない 17>前月は15
――米2月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値のポイントは、以下の通りです。
1)1年先の家計見通し指数、所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数、1年先のビジネス見通し指数、米国は向こう1年先も良好な状況を継続する、1年先の失業率見通し指数、1年先の金利見通し指数がそろって低下
2)所得が1年先に拡大するとの回答や1年先のガソリン価格は上昇を予想。
3)購入見通しは住宅、自動車、主要危機全て低下
4)インフレ見通しはまちまち、金利は低下を予想もガソリン価格は上昇見込む
トランプ米大統領が税制改革やインフラ投資拡大について言及していなかったため米株が上げ渋り、センチメントを低下させたと考えられます。米1月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)が好調だったものの、平均時給が減速したことも影響した模様。逆にトランプ米大統領が「驚くべき税制改革」を数週間以内に発表すると言及し米株が再び最高値更新トレンドに入ったため、確報値で上方修正される余地が残ります。
(カバー写真:Victoria Pickering/Flickr)
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